2025年11月
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再生可能エネルギー導入で中小企業の生産性向上とコスト削減を支援 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は10月19日、同省の中小企業技術アップグレード・プログラム(SETUP)を通じ、再生可能エネルギーの導入支援を行い、電力コストの削減と二酸化炭素(CO2)排出量の低減を進めていると発表した。

ホテルに設置されたバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)は電気料金を50%からゼロまで削減することが期待されている
(出典:DOST)

DOSTは、SETUPが提供するイノベーション基金(iFund)により、中小零細企業(MSME)へ資金・技術支援を行っている。対象企業は技術導入や設備更新、研修、コンサルティングなどの支援を受けることができ、これにより生産性向上と運営コスト削減の両立を図る。返済は低利子または無利子で、長期的な技術移転を促す仕組みである。

その支援事例として、フィリピンのAAカレオン・リアルティー(AACaleon Realty Corporation)社は、iFundにより300万ペソの支援を受け、100kWの太陽光発電システムを2025年6月に設置した。同社は電力料金が従来の月50万ペソ超から30万ペソ未満に減少したという。さらに、同社が導入したバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の稼働により、将来的には電力費をゼロに近づけることを目指しているという。

DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は「再生可能エネルギーを活用することで、企業は生産量を増やすだけでなく、経費を抑えて利益を拡大できます。DOSTは人々と地球の双方を支える取り組みに注力しています」と述べた。

DOSTはまた、フィリピンのカガヤン州立大学と協力し、従来の三輪車を電動化する研究開発を支援している。同相は「電動三輪車の普及はCO2削減と雇用創出の両面で効果があり、多くの企業が関心を示しています」と述べ、技術移転と地域経済活性化への期待を示した。

これらの発表は、カガヤンバレーで開催されたDOSTが主催する地域科学・技術・イノベーション週間(RSTW)の一環として実施された。本イベントは、DOSTが掲げる「OneDOST4U」ビジョンに基づき、幸福、富の創造と保護、持続可能性の4本柱を具現化する活動の1つである。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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