マレーシア工科大学(UTM)は11月4日、QS世界大学ランキング:アジア2026で25位となり、同大学として過去最高の地域順位を記録したと発表した。
今回の結果により、UTMはアジアの大学の上位2%に入ったことになる。2026年版ランキングでは、マレーシアからの48校を含むアジア全域の1526校が評価対象となり、対象校が拡大する中で競争の激化が示されている。UTMはマレーシアを代表する研究大学の1つとして、学術的卓越性やインパクトのある研究、国際連携で主導的役割を果たしていることを示す結果となった。
同大学は過去10年間にわたり、地域ランキングで着実かつ持続的な上昇を続けてきた。総合スコアも前年の84.8から91.2へと大きく伸び、マレーシアの研究大学の中でも際立った伸長を示した。こうした進展は、UTM Global PlanやenVision UTM 2025など、質向上をめざした戦略的取り組みの成果とされる。
この成果について、UTM副学長のモハメド・シャフリー・ビン・モハド・ラヒム(Mohd Shafry bin Mohd Rahim)教授は、教職員と学生を含むUTMコミュニティ全体の献身的な努力に謝意を示したうえで、「QSアジアランキング2026で25位に到達したことは、UTMとマレーシアにとって誇らしい出来事です。重要なのは順位そのものではなく、教育・研究・イノベーションの持続的な質が示されている点です」と述べた。
UTMは今回の節目を踏まえ、2026年に始動するUTM ASCEND 2030戦略計画の下で、新たな目標に向けて歩みを進める。同計画は、グローバルに関与するイノベーションを主導する大学として、未来志向の人材育成と持続可能なソリューションの創出に取り組むことを掲げる。UTMはモットー「Kerana Tuhan untuk Manusia(神の名において人類のために)」とタグライン「Innovating Sustainable Solutions」を掲げ、国境を越えるインパクトを通じて、マレーシアが知識・イノベーション・卓越性のハブとして世界的評価を高めることに貢献していく。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部