フィリピン科学技術省(DOST)は11月18日、中部ルソンに3つの主要な科学・技術・イノベーション施設を開設し、地域社会により近い場所でサービスを提供すると発表。農業支援拠点となる農業産業再活性化のためのスマート手法・地域中核拠点ネットワーク(SARAI CeNTRO)、イノベーションハブ(iHub)、および先進製造センター(AMCEN)が発足した。

SARAIは、知識ベースのスマート技術を活用して地元農家を支援し、農業生産性を向上させるDOSTの主要プログラムのひとつである
SARAIは、フィリピン国立大学ロスバニョス校 (UPLB)と共同開発された農業支援プログラムで、スマート技術により農家がより良い農産物を製造できるようにし、地方の農業生産を向上させる目的がある。具体的には作物モデリング、衛星リモートセンシング、地理情報システムに基づく害虫識別などのツールを利用した農家の意思決定の支援などを行う。DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、SARAIの革新的なツールを農家に届け利益最大化に向ける必要があると強調した。

iHubは、研究者がメンターや投資家と連携し、プロジェクト開発を加速できるワークスペースの提供を目指している
iHubは、研究者、学生、起業家、企業が共創できるワークスペースであり、アイデア創出から試作、スタートアップ形成までを一体的に支援する拠点である。全国64番目の拠点として設置され、来年には各州におけるiHub開発のために1億4800万ペソの予算が承認されている。若手人材の育成や投資家との連携を促し、地域の技術産業を活性化することが期待される。

(出典:いずれもDOST)
AMCENは地域の製造・産業分野を支援するための拠点として整備された。AMCENには最先端の3Dプリンティング設備やIndustry 4.0対応機器が備えられており、産業界や大学はプロトタイプを作成し、先進的な製品を開発できる。中部ルソンのAMECENでは医療機関との提携も始まっている。
中部ルソンにおけるSARAI、iHub、AMCENの設立は、DOSTが掲げる「OneDOST4U」ビジョンに基づき、幸福、富の創造と保護、持続可能性の4本柱を具現化する活動の1つである。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部