ベトナム科学技術省(MoST)は11月16日、2025年初頭からの10カ月で半導体分野において170件以上、総額約116億ドルの外国直接投資(FDI)を誘致したと発表した。
FDIは世界の半導体バリューチェーンにおける主要な2分野であるチップ設計とパッケージング・テストに集中しており、約60社のチップ設計企業、8件のパッケージング・テストプロジェクト、20社以上の半導体材料・装置供給企業が関わっている。11月7日に開幕したSemiExpo Viet Nam 2025で講演したブイ・ホアン・フオン(Bui Hoang Phuong)科学技術副大臣は、東南アジアには米国のインテル(Intel)社、アムコー(Amkor)社、コヒーレント(Coherent)社、オランダのVDL社、韓国のハナマイクロン(Hana Micron)社といった主要企業の拠点があることから、ベトナムは現在進行中であるサプライチェーン再編の機会を捉える上で有利な立地にあることを指摘した。
また、半導体産業のFDIを誘致できている背景には、ベトナムの高い経済開放度と広範な自由貿易協定のネットワークがある。ベトナムでは、ハイテク人材の不足や、エコシステムの未成熟さ、国内需要の低迷といった課題はあるものの、地政学的優位性、電子機器輸出の二桁成長、若くハイテクに精通した人口構成、柔軟な政策枠組み、国のトップレベルでの強い政治的意思という恩恵がある。政府は、2030年までの半導体産業発展のための国家戦略と、2050年に向けたビジョンを承認している。2024年に1320億ドルを超えたハードウェア輸出を背景に、電子産業の強固な基盤を活用しているほか、190万人の技術労働者と7000人以上の訓練を受けたチップ設計エンジニアが半導体産業成長を支える重要な人材供給源となりうる。
また、ベトナムは国際的なバリューチェーンに加わるだけでなく、国家の自立と持続可能な開発に貢献する、競争力があり、先進的で、ダイナミックな半導体エコシステムの構築も目標に掲げている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部