2026年01月
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ユネスコのAI準備状況評価報告書を受領 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)からフィリピンの人工知能(AI)準備状況評価報告書を2025年11月28日に正式に受領したと発表した。

報告書の発表および引き渡し式は、フィリピンのマニラ首都圏のマカティ市で行われた。式典では、DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相が、ユネスコの林川(勝野)眞紀(Maki Katsuno-Hayashikawa)氏らとともにパネルディスカッションに登壇した。

同相は、フィリピンの国家AI戦略(NAIS PH)を通じ、AIイノベーションがアクセスしやすく、倫理的かつ社会ニーズに応えるものとなるように務めると述べ、ユネスコのAI準備状況評価報告書を歓迎し、フィリピンをAI対応国家へと導く戦略的かつ包括的な協力を期待するとした。また、DOSTが医療、農業、産業、人材育成、環境、防災、データセンター、新興技術プラットフォームなどの分野で、AI関連事業に99億ペソ以上を投資する計画であることを明らかにした。

DOSTは、AIの利活用を促進するための基盤整備も進めている。「民主化インテリジェントモデル交換リポジトリ(DIMER)」は、フィリピン特有の課題に対応したすぐに使えるAIモデルへのアクセスや、独自に開発した機械学習モデルを共有が可能なデジタルモデルストアとして機能しており、スーパーコンピュータ施設COARE(Computing and Archiving Research Environment)には、研究・教育・政府向け情報ネットワークであるPREGINETなどが整備されている。さらに、スタートアップや零細・中小企業(MSME)を支援するコンピューティング、アナリティクス、ビッグデータ、AI推進プログラム(ACABAI-PH)を通じ、AI技術の民主化を図っている。

今回の評価は、ユネスコが主導するAI準備状況評価手法(RAM)に基づいて実施された。DOSTは今後、報告書の調査結果をNAIS-PHの策定に生かすとともに、ユネスコと連携して倫理的影響評価にも取り組む方針だ。

(2025年12月3日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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