ベトナム科学技術省(MoST)は、人工知能(AI)に関する包括的な法制度となる「人工知能法」が承認されたと発表した。
今回承認されたAI法はAIのリスク管理とイノベーション促進の両立を図り、国際慣行に沿って新たな技術基準への対応を進めることを目的としている。全35条で構成され、2026年3月1日に施行される予定である。法律では人間を中心に据える原則を明確にし、AIは人間に取って代わるものではなく、人間に奉仕する存在でなければならないと定めている。また、重要な意思決定プロセスでは人間による監督を必要とすることを規定した。
同法は、計算基盤、データ、研究能力などを含むAIの自律的発展に向けた基盤整備を位置づけている。これにより、国際競争に対応できるAI人材の育成を支えるとしている。国家としての取り組みとして、政府は国家AIコンピューティングセンターと管理されたオープンデータシステムの構築に投資する方針を示した。これらは計算コストの削減や市場参入障壁の低減につながり、競争的で透明性の高いAIエコシステムの形成につながるものとされている。
さらに同法では、国家AI開発基金の設立、企業のAI導入を支援するAIバウチャー制度の導入、センシティブなAIソリューションを対象とした管理型の実験サンドボックスの設置など、AI開発を規制・支援する制度を定めた。あわせて、AI生成コンテンツ、アルゴリズム倫理、国境を越えて提供されるAIサービスプラットフォームの責任といった新たな課題にも対応する枠組みを整えた。
(2025年12月15日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部