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耐火性を備えた建築材料として竹の研究開発 フィリピン

フィリピン科学技術省傘下の森林産品研究所(DOST-FPRDI)は、竹を持続可能で低コストな素材としてだけでなく、耐火性を備えた建築材料として安全に利用するための研究開発を進めていると発表した。

耐火構造:イロコスノルテ州バタック市にある竹の研究開発センター
撮影時期不明の提供写真 (出典:PNA)

香港で発生した火災事故をきっかけに、建設現場で使用される竹材の安全性に注目が集まっている。DOST-FPRDIによると、竹は成長が早く、数年で収穫可能な種もあるため、木材に比べて持続可能性が高い非木材林産物である。一方で、有機材料であるため、火にさらされると燃焼する特性を持つ。

竹の専門家であるリコ・カバンゴン(Rico Cabangon)DOST-FRPDI所長は、竹材は適切な乾燥や処理、試験に加え、難燃技術を組み合わせることで、発火や延焼のリスクを大幅に低減できると語る。これまでに、輸入化学物質に代わる低毒性で安価な難燃剤として、ナノサイズのモンモリロナイト粘土を用いた技術を開発し特許を取得している。この技術は木材向けに研究が進められていたが、現在は竹への応用も検討されている。さらに、フィリピンの在来竹であるシチク (Bambusa spinosa Roxb.)を原料としたセルロースナノファイバーエアロゲルを、建築用断熱材向けの難燃性添加剤として開発している。これは、人や環境への安全性に配慮した技術で、住宅の防火性能向上に寄与することが期待される。

DOST-FPRDIは耐火試験研究所も運営しており、竹を含む木材・非木材材料に対し着火性や可燃性を評価している。今後は設備を高度化し、より大型の建材試験にも対応する方針である。

同所長は、竹の防火性に対する懸念を理解しており、研究と試験を通じて信頼できる建築材料としての地位を確立していくと語る。また、DOSTのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、DOSTが建設だけでなく他の用途でも竹の安全性を確保する取り組みを含め、竹を支援する長期的プログラムを実施していることを説明した。

国営フィリピン通信社(PNA)が2025年12月26日に伝えた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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