シンガポールのデジタル開発・情報省(MDDI)は1月9日、シンガポール共和国が日本と量子科学技術・イノベーションに関する協力覚書(MoC)を締結したと発表した。
署名は同日、シンガポールのジョセフィン・テオ(Josephine Teo)デジタル開発・情報相と、日本の内閣府を代表する小野田紀美内閣府特命担当大臣(科学技術政策)によって行われた。これは、シンガポールにとって量子分野に特化した初の政府間MoCとなる。
本覚書に基づき、両国は量子研究とイノベーションに関する政策対話、産学官連携、教育・人材交流、安全保障政策対話、標準化とガバナンス、研究インフラの共有、商業化およびユースケース開発、民間資金活用の8分野で協力を進める。具体的には、国境を越えたパイロット事業やテストベッドの展開、研究を通じた人材育成、研究インフラへの共同アクセスなどの取り組みが含まれる。
さらに、量子技術プロバイダー、エンドユーザー企業、スタートアップ間の連携を、民間投資プラットフォームを通じて強化することも目的としている。政府間のMoC締結とあわせて、シンガポールのスタートアップ企業Entropica Labs社と、日本のスタートアップ企業Yaqumo社が、量子コンピューティングのハードウエアおよびソフトウエア開発に関する了解覚書(MoU)を締結した。
同相は、このMoCはシンガポールと日本の長年にわたる深いパートナーシップにおける重要な節目となるという声明を出している。2026年に外交関係樹立60周年を迎える中、量子技術を計算、通信、サイバーセキュリティの将来を再定義する新たなフロンティアと位置付け、研究力強化や人材育成を通じて、シンガポールを量子イノベーションの信頼できる拠点とする考えを示した。この協力により、両国の研究者、企業、そしてより広範なイノベーション・エコシステムにとって貴重な機会が生まれるとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部