シンガポール国立大学(NUS)は1月15日、NUSのアジア・デジタル・ファイナンス研究所(AIDF)がAIとデジタルトランスフォーメーションを主導できる幹部人材の育成を目的としたエグゼクティブマスター課程「AIおよびデジタル変革エグゼクティブマスター(EMAI)」を開講したと発表した。
AIの導入が急速に進む一方、多くの組織の生成AIプロジェクトは概念実証段階にとどまり規模拡大に苦戦している。AIDFは、こうした「AI実行ギャップ」の背景に、戦略的リーダーシップの不足があると捉え、本プログラムを設計した。開講式はシンガポールのマリーナベイ・サンズで行われ、デジタル開発・情報省および教育省のジャスミン・ラウ (Jasmin Lau)国務大臣が主賓として出席した。
EMAIは、平均19年の職業経験を持つ31人の上級リーダーで構成される初年度コホートを迎え、エグゼクティブ向けAI教育の新たな水準を示した。AIDFのファン・ケウェイ(Huang Ke-Wei)准教授は、シンガポールのような小国にとって、AIは人材制約を補い、国際企業の地域拠点としての競争力を維持する上で重要な技術基盤であると指摘する。
AIDFは、応用型かつ産業界に根ざした学習へのコミットメントを示すため、スタンダードチャータード銀行とナレッジパートナーに関する覚書を締結した。同銀行は業界視点や実務知見を提供し、AI主導の変革を推進する受講者を支援する。
EMAIは12カ月間のパートタイム制で、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド形式を採用する。受講者はシンガポールに加え、サンフランシスコ、香港、深圳のイノベーション・エコシステムに触れながら、学術セッションを体験するグローバル・イマージョンにも参加する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部