2026年02月
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データ駆動型ロボットが高齢者のバランス感覚を改善 シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は1月21日、移動に不安を抱える高齢者が転倒を恐れずに運動できるよう支援するリハビリテーションロボットを、地域の高齢者施設で実証導入したと発表した。

(出典:NTU)

今回導入されたのは、データ駆動型ロボティック・バランス・アシスタント(DRBA)である。同ロボットは、NTUが社会福祉団体のライオンズ・ビフレンダーズ(LB)、スマート・アーバン・コ・イノベーション・ラボ(SUCIL)、ルーメンズ(Lumens)社と連携し、複数分野の協働体制のもとで実証を進めた。

DRBAは、NTU、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、国立ヘルスケアグループ(NHG)が共同で運営するシンガポール・リハビリテーション研究所(RRIS)およびタン・トク・セン病院との協力により開発された。高齢者のバランス感覚を改善し、立ち上がりや歩行などの日常動作を補助するほか、転倒の兆候を検知した際には即座に安定性を提供する機能を備えている。また、利用者から取得したデータを分析し、個別に調整された支援を行うとしている。

地域での実証試験は、シンガポール東部タンピネスにあるライオンズ・ビフレンダーズのアクティブ・エイジング・センターで実施された。高齢者はズンバなどのグループ運動に参加し、一部の参加者がDRBAを使用した。ロボットは、利用者の自立性を損なうことなく、運動時の安定性を支える役割を果たしたとされている。

NTUは本取り組みについて、大学、民間企業、社会福祉機関が連携する枠組みの下で、研究成果を地域の高齢者支援に活用する試みであるとしている。また、ルーメンズ社はロボットの輸送と現地展開を担い、SUCILは研究成果と産業展開の橋渡し役を果たしたとしている。

DRBAは現在、発明者によるスピンオフ企業アビリティ・ロボティクス社を通じて商業化が進められている。同社は、地域施設や医療機関での利用を想定した展開を進めているほか、移動型モデルであるモバイル・ロボティック・バランス・アシスタント(MRBA)の開発にも取り組んでおり、2026年までの市場投入を予定しているという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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