2026年02月
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中医学の教育・研究プログラムを共同開始 シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は1月23日、伝統中国医学(TCM)分野の教育と研究を推進するため、固生堂中医学研究所から106万シンガポールドルの寄付を受け、同研究所と共同で中医学の教育・研究プログラムを開始したと発表した。

(出典:NTU)

同プログラムは、シンガポールにおける中医学人材の育成と、エビデンスに基づく研究の強化を目的としている。NTUと固生堂中医学研究所が連携し、教育、臨床研修、研究の各分野で協力を進める枠組みとして位置付けられている。

本提携は、人材育成と科学的研究の2つを柱としている。人材育成では、中国から中医学分野の専門家を定期的に招聘し、客員教授として講義や臨床指導を行う。これにより、高度な診断技術や臨床経験を現地の実践者に共有する体制を整えるとしている。また、博士課程奨学金や海外学術交流プログラムへの支援も含まれている。

研究面では、NTUの研究基盤と固生堂中医学研究所が展開する臨床ネットワークを連携させ、国際水準に基づく研究を進める。実臨床の現場を活用した応用研究や、データに基づく研究を通じて、エビデンスに基づく中医学研究の基盤強化を図るとしている。

固生堂中医学研究所は2024年にシンガポールで事業を開始し、2025年12月時点で国内16カ所のクリニックを運営している。2026年末までに50カ所へ拡大する計画である。2025年には、同研究所が開発した3つの漢方製剤がシンガポール保健科学局(HSA)の承認を受けた。

固生堂医学研究所の創設者のトゥ・ジーリャン(Tu Zhiliang) 会長兼最高経営責任者は、「この提携は、シンガポールにおける伝統中国医学の将来に対する長期的な投資です。NTUと協力し、厳格な研究と質の高い人材育成を通じて、中医学がより意義のある役割を果たせることを目指します」と述べている。

また、NTU中医学クリニックのリンダ・チョン(Linda Zhong) 所長は、「この連携により、中医学教育と研究のエコシステムが強化され、学生の研修の質向上と、エビデンスに基づく中医学実践の推進につながります」としている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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