インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は3月3日、パプアとスラウェシで固有の新種の蛾2種を確認したと発表した。新たに確認されたのはGlyphodella属のGlyphodella fojaensisとChabulina属のChabulina celebesensisで、研究成果は学術誌Raffles Bulletin of Zoologyに掲載された。
この研究は、BRIN生物系統学・進化研究センターのハリ・ストリスノ(Hari Sutrisno)氏とロシチョン・ウバイディラ(Rosichon Ubaidillah)氏が進めたもので、2002年から2017年にかけてパプアとスラウェシで実施した現地調査と、ボゴール動物博物館(MZB)の標本調査に基づくものである。
研究チームによると、Glyphodella fojaensisはインドネシアで確認された唯一のGlyphodella属の種で、パプアのフォジャ山地に固有である。一方、Chabulina celebesensisはスラウェシ固有の新種で、中部スラウェシ州、南東スラウェシ州、北スラウェシ州で確認された。
ウバイディラ氏は、2種はいずれも翅の模様や生殖器の構造に明確な特徴があると説明した。「Glyphodella fojaensisは前翅の丸い黄色い斑点と、近縁種とは異なる雄の生殖器が特徴です。一方、Chabulina celebesensisは、翅の線状模様と特徴的な生殖器によって識別できます」と述べた。
研究では、ライトトラップで標本を採集し、顕微鏡で詳細に観察した。標本は全てMZBに国立コレクションとして保管・記録された。Glyphodella fojaensisはパプアのフォジャ山地の原生熱帯林に、Chabulina celebesensisはスラウェシの二次熱帯林に生息し、いずれも夜行性である。研究チームは、固有種は森林破壊や生息地劣化の影響を受けやすく、パプアとスラウェシの森林生態系の保護が必要だとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部