2026年04月
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学際研究拠点CSSHを設立 シンガポール国立大学

この記事は3月4日に、NUS Newsに初掲載されました。

シンガポール国立大学(NUS)は3月4日、データサイエンスや人工知能(AI)、計算手法を社会科学と人文科学の知見と結び付け、複雑な社会現象の理解と喫緊の社会課題への対応を進める計算社会科学・人文科学センター(CSSH)を設立したと発表した。

(提供:NUS)

CSSHは、シンガポールで初めて計算社会科学と人文科学を単一のセンターに体系的に統合し、研究と政策、実社会での応用を橋渡しする拠点である。コンピューティング、ニューメディア、言語学、地理学、公共政策、ヘルスケアなど幅広い分野の知見を集め、AIを活用したプラットフォームの社会的影響の評価、文化遺産のデジタル保存、脆弱なコミュニティのデジタルリテラシー強化などに取り組む。

2024年後半に立ち上げ準備を始めて以降、CSSHはNUS内外の研究者105人と外部協力者が参加する50件超の学際的プロジェクトに着手してきた。共同所長は、NUSコンピューティング学部のアトレイ・カンカンハリ(Atreyi Kankanhalli)教授と、NUS人文社会科学部のピーター・ミリカン(Peter Millican)教授である。

主要プロジェクトの一つは、カンカンハリ教授が率いる5年間の「政策設計を支援する計算社会シミュレーション」である。NUSとシンガポール国内の3大学の研究者が協力し、大規模言語モデル(LLM)を使って多様な市民像を再現するAI駆動型の社会シミュレーション基盤を開発している。政策案の導入前に予備検証を行いやすくし、政策立案の初期段階で大規模調査や現地調査の頻度を減らすことを狙う。

もう一つは、NUS人文社会科学部のミゲル・エスコバル・バレラ(Miguel Escobar Varela)准教授が率いる「ジャウィAIプロジェクト」である。シンガポールの国立図書館委員会(NLB)と連携し、1870~1970年にシンガポールで発行されたジャウィ文字のマレー語新聞の数千ページを、検索可能なマレー語テキストに変換している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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