ベトナム科学技術省(MoST)は3月5日、人工知能(AI)に関する独立法であるAI法が3月1日に施行され、3月3日付の決定第367/QD-TTg号で実施計画も承認されたことで、リスク管理、技術革新、エコシステム整備を進める国家的な統治枠組みが整ったと発表した。
ベトナムは、議会レベルでAIの専用法を採択した数少ない国の一つとなった。同法は、人間を中心に据えた統治を基本原則とし、AIは支援手段であり、重要な社会問題の最終責任は人間が担う考え方を示した。グエン・マイン・フン(Nguyen Manh Hung)科学技術相は、この「人間が最終的に統制する」原則が立法の基礎になったと説明した。
AIシステムは高・中・低の3段階で分類され、提供者は導入前に評価と区分を行う必要がある。高リスクのシステムには、人間の監督と介入を可能にする仕組み、技術文書や運用記録の保存など、より厳格な義務が課される。MoSTは、高リスクAIシステムの公式リストを定める首相決定案の準備も進めている。
また、利用者と直接やり取りするAIは、その存在を明確に示さなければならない。AIが生成した音声、画像、動画には機械可読の識別情報を埋め込み、実在人物の声や外見を再現したり、現実の出来事を模したりする内容には、本物と区別できる表示を付けることを求めた。
さらに、AI中核技術の研究や習得に取り組む組織・個人への優遇措置、AI企業へのインフラやデータセット、規制サンドボックスへのアクセス支援、中小企業への資金や研修支援、AI人材育成のための教育課程整備も盛り込んだ。実施計画では7つの主要任務群を定め、2026〜2027年に国家AI開発基金とAIイノベーションクラスターを整備するとした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部