2026年04月
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原子力環境下での遠隔監視や作業支援を行う知能ロボットを開発 ベトナム

ベトナム科学技術省(MoST)は3月9日、ベトナム科学技術アカデミー(VAST)の研究チームが、原子力環境下での遠隔監視や作業支援に活用できるロボットアーム付き自律型知能ロボットを開発したと発表した。

ベトナムではニントゥアン原子力発電所計画の再始動を含む原子力発電計画の推進が進んでおり、放射線環境で人の安全をどう確保するかが重要課題となっている。放射線被ばくはDNA損傷やがんなど深刻な影響をもたらすおそれがあるため、監視や操作、放射性物質を扱う現場で人に代わってロボットを使う必要性が高まっている。

この研究は、VAST物理研究所のゴ・マン・ティエン(Ngo Manh Tien)博士らが進めた。機体にはLidar、2D-3Dカメラ、IMU、放射線検出器などを搭載し、自律移動ロボット(AMR)に6自由度の協働ロボットアームを組み合わせた。特徴は、移動や放射線測定だけでなく、空間地図と放射線分布地図をリアルタイムで同時に作成できる点にある。SLAMを用いて自己位置を推定しながら周囲の環境を再構築し、地図上の位置ごとに放射線情報を重ねられるため、高線量域や安全区域を把握しやすい。

さらにAIアルゴリズムを統合し、放射性環境での監視や作業支援を可能にした。ダラット原子力研究所、ハノイ照射センター、複数の核医学施設での試験では、障害物のある広い空間でも安定して動作し、正確な位置決めと放射線マッピングを確認した。今後は、技術標準化や製造、国内条件に適した応用シナリオの整備を進め、実用化に向けて改良を続けるとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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