インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は3月31日、同庁の主任研究員5人が研究教授称号授与に伴う公開プレナリーセッションにおいて、社会政策から流域管理、沿岸ガバナンスに至る戦略課題に関する学術講演を実施したと発表した。
講演はジャカルタのBJハビビ・ビルで開催され、ムマン・ヌルヤナ(Mu'man Nuryana)教授、ロベット・アスナウィ(Robet Asnawi)教授、フングル・ユドノ・セティオ・ハディ・ヌグロホ(Hunggul Yudono Setio Hadi Nugroho)教授、タスリム・アリフィン(Taslim Arifin)教授、アプリジャント(Aprijanto)教授の5人が登壇した。各教授は社会政策、農業経済、流域管理、沿岸生態、港湾技術の分野における研究成果を提示し、政策形成や持続可能な開発に資する解決策を示した。
ヌルヤナ教授は、社会福祉ガバナンスの変革に向けた「エコシステム・オーケストレーション・モデル」を提唱し、地域社会を福祉の担い手、国家を支援主体、とする協働型の枠組みを提示した。アスナウィ教授は循環経済の観点からキャッサバの2条植え技術を開発し、生産性を100%以上向上させるとともに農家所得を48.43%増加させ、透明な最低価格の設定と農家と産業の連携強化の必要性を指摘した。
アリフィン教授は、生態系の機能を損なうことなく人間活動を支える能力を評価する生態学的環境収容力指数(ECCI)を提示し、サンゴ礁の経済価値を踏まえた科学的管理の重要性を強調した。ヌグロホ教授は社会技術システムに基づく流域管理手法を示し、参加型管理やモニタリング技術により、データに基づく計画や災害早期警戒の強化を支援した。
アプリジャント教授は、気候変動や海面上昇に対応するため、流体力学モデルと人工知能(AI)を統合した沿岸・港湾の適応技術を提示し、「研究と政策実装を結び付けることが、適応的かつ持続可能で競争力のある沿岸ガバナンスの実現に不可欠です」と重要性を強調した。
今回の講演は、社会福祉、食料安全保障、天然資源管理、沿岸管理といった国家課題に対し、科学の進展とともに実践的解決策を提示するものであり、BRINの戦略的役割を示すものである。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部