2026年05月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2026年05月

新内閣発足に伴う首相施政方針演説 タイ

タイでは、3月31日に新内閣が承認され、アヌティン・チャーンウィラクン首相による第2次政権が発足した。これを受け、同首相は4月9日、2026年の施政方針演説を行った。

施政方針演説では、不確実性の高い状況下で前政権から政権運営を引き継いだことに触れつつも、早期の成果創出を目指す政策である「クイック・ビッグ・ウィン(Quick Big Win)」の推進により、2025年第4四半期には予想を上回る経済成長を達成したと述べた。その上で、現状認識を踏まえた今後の課題と政策方針について説明した。

今後の政策方針は、「経済」「外交・安全保障」「社会」「災害対応・環境」「行政運営・法制度改革」の5分野で構成されており、「経済」分野を中心に、以下のように科学技術およびイノベーションに関する方針についても言及された。

「経済」分野では、持続的な経済成長の実現および「中所得国の罠」からの脱却を目指し、既存産業の競争力強化に加え、新たな成長エンジンの創出を図る方針が示された。具体的には、デジタル技術、人工知能(AI)、ロボット工学、半導体、高付加価値加工食品、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー、自動車、医療・健康産業などが重点分野として挙げられた。

これらの分野を推進する手段の一つとして、科学技術とイノベーションの強化が位置付けられ、大学を知識創造やイノベーション、さらには国家的課題解決の拠点へと変革し、持続可能な経済基盤を構築する方針が示された。

また、農業においても、AIやバイオテクノロジーの活用による生産性向上およびコスト削減を進めるとともに、農業生産管理の高度化を目的としたビッグデータおよびAIシステムの開発に取り組むとしている。

「社会」分野では、医療保険制度の整備と、地域や居住地に左右されない迅速な医療アクセスの実現が目標として掲げられた。その実現手段の一つとして、精密医療や遠隔医療を含む医療AIの活用を通じた医療サービスの強化が挙げられている。

「災害対応・環境」分野では、ビッグデータシステムやAIを活用した水資源管理の分析や、気象予測技術の高度化を推進する方針が盛り込まれた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

  • アジア・太平洋総合研究センター
  • Science Japan
  • 客観日本
上へ戻る