2026年06月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2026年06月

凝集せず自己集合するダンベル形状ナノ粒子を開発 シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は5月13日、NTUと中国の復旦大学の研究者らが、凝集や塊状化を起こすことなく自己集合して多様で複雑な配列を形成できるダンベル形状のナノ粒子を開発したと発表した。研究成果は学術誌Scienceに掲載された。

ダンベル型のナノ粒子は、自己集合して様々な構造を形成することができ、その中には新たなフォトニック特性を持つカゴメ格子と呼ばれる構造も含まれる
(出典:NTU)

物質を自発的に並べる自己集合では、ナノ粒子が凝集したり塊になったりすることが長年の課題だった。研究者らはこの問題を避けるため、タイルのように互いにかみ合い、さまざまな秩序配列を形成できるナノダンベルを作製した。

研究チームは、日常的な食品に一般に含まれる「健康的な脂肪」の一種であるオレイン酸をナノ粒子懸濁液に加えると、隣り合うナノ粒子間の引力が高まり、溶媒の蒸発に伴って粒子同士が近づくことを見いだした。この働きにより、粒子が無秩序に固まるのを防ぎながら、秩序だった構造を作れるようにした。

このナノ粒子により、研究者らはカゴメ格子と呼ばれる二次元格子パターンを形成した。カゴメ格子は新しいフォトニック特性を持つ構造で、従来の自己集合型ナノ粒子では作製が難しいとされる。ダンベル形状のナノ粒子は、このほかにもさまざまな配列を自ら形成でき、こうした形状制御が新しいナノ材料の構築につながるとみられる。

研究を共同で率いたNTU化学・化学工学・バイオテクノロジー学部のニ・ラン(Ni Ran)准教授は、「私たちのナノダンベルは、独自の特性を持つナノ材料の作製など、さまざまな用途に利用できる汎用性の高い構成要素です」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

  • アジア・太平洋総合研究センター
  • Science Japan
  • 客観日本
上へ戻る