インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は6月2日、BRIN地質資源研究センターの研究者らが、鉱物探査と地質災害軽減に向けた水文地球化学とラドンガスの利用を研究していることを明らかにした。
水文地球化学は、水の化学的特性を評価し、水資源システムの起源、質、動態を明らかにする手法である。BRIN地質資源研究センター長のイワン・セティアワン(Iwan Setiawan)氏は、オンライン討論会で、持続可能な天然資源管理に水文地球化学を用いることで、地表から地下深部までの水質と帯水層を精密に把握できる可能性があると説明した。
同氏は、水生生態系における元素と水の起源を理解することで、生態系の存続可能性を監視し、環境健全性の低下を緩和できると述べた。さらに、発電や熱の直接利用に不可欠な地熱流体システムの特性解明を通じ、地熱エネルギー利用の加速にもつながるとした。
同氏は、地球科学研究におけるラドンガス利用の進展も強調した。自然に発生する放射性ガスであるラドンは、地質研究、災害軽減、資源探査の指標として利用が広がっている。高濃度ラドンガスの異常を追跡すれば、火山性、非火山性の地熱システムで、熱源と関連する地質構造や割れ目系を把握できるという。BRINはまた、活動断層帯沿いのラドン異常を活用し、構造性地震や火山性地震活動を対象に、地質災害軽減の高度化を図る。
また、同氏は、統合型で技術に基づく地球化学機器とリアルタイム監視システムの開発に向け、研究能力の拡充と分野横断的な連携を呼びかけた上で、「ラドンガス検出と地下水のリアルタイム監視を用いた地質災害の軽減策は、地域開発政策の重要な指針となり得ます。こうした地球化学データベースは、空間計画と持続可能な環境保護の策定の基盤とすべきです」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部