2026年06月
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種子への栄養輸送を制御する仕組みを発見 シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は6月5日、NTUとデンマークのコペンハーゲン大学の研究者らが、種子への栄養素輸送を支配する重要な仕組みを発見したと発表した。研究成果は学術誌Developmental Cellに掲載された。

(出典:NTU)

種子に栄養素がどのように輸送されるかを理解することは、作物収量と食料生産の向上に重要である。研究では、発達中の種子を母植物側の組織につなぎ、栄養素を届ける「へその緒」のような柄状の構造である珠柄(しゅへい)の形成を支える分子過程を明らかにした。

植物は、細胞壁を強化して硬くする木質の物質リグニンを生成する。一方で、珠柄が栄養素を効果的に運ぶには、柔軟性を保つ必要がある。研究者らは、ジンクフィンガータンパク質2(ZFP2)という調節タンパク質が、珠柄にリグニンが過剰に蓄積するのを防ぐ「ブレーキ」として働き、珠柄がしなやかさを保てるようにしていることを見出した。

具体的には、ZFP2は植物組織でリグニン蓄積を制御する主要な調節因子NST1の発現を抑える。珠柄内のNST1発現を微調整することで、ZFP2は適量のリグニンが珠柄に沈着するようにしている。こうした知見は、種子に効率よく栄養素が輸送される仕組みの理解を深めるものだ。

本研究を率いたNTU生物科学科のマ・ウェイ(Ma Wei)准教授は「今回の知見は、栄養素が種子へ効率的に輸送される仕組みの理解を深めるもので、作物改良と食料生産に重要な意味を持ちます」と説明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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