シンガポールの南洋理工大学(NTU)は6月17日、セマカウ埋立地に送られる廃棄物の資源化を目指し、残渣・有毒産業廃棄物管理の科学とイノベーションを推進するシンガポール初の国立研究センター「都市環境の資源効率・持続可能性に向けたセンター」(TREASURES)が開設されたと発表した。
TREASURESは、シンガポールの国家環境庁(NEA)とNTUが共同設立した国立の研究・イノベーションプラットフォームで、シンガポール国立大学(NUS)や他の高等教育機関を主要パートナーに、同国の研究エコシステムを結集する。研究・イノベーション・企業 (RIE)2025計画に基づく「資源循環を完結させる」資金イニシアチブ(Closing The Resource Loop Funding Initiative)で3500万シンガポールドルの支援を受け、NTUが2026年1月1日~2030年3月31日にホスト機関を務める。
研究は、廃棄物流の分析、埋立地の転換、有毒産業廃棄物ソリューション、リスク評価と基準の4ノードで進める。シンガポール全体の廃棄物流をマッピング・モデル化して資源回収の機会を特定し、現在セマカウ埋立地に送られている材料を回収・再利用する技術を開発する。複雑な産業廃棄物の高度処理・回収方法にも取り組み、再利用材料が導入に必要な厳格な安全・環境要件を満たすようにする。
TREASURESは、6月17日~8月16日に初回の助成公募を実施する。対象は高等教育機関、研究機関、企業で、残渣・有毒産業廃棄物管理の実用的で拡張可能な解決策を進め、学界、産業界、政府機関の連携を強化するプロジェクトを支援する。産業界との連携、実証試験・規制プラットフォームへのアクセス、能力構築、国内外のパートナーシップによる知識共有も進める。
TREASURES共同ディレクターで、NTU土木環境工学部議長のチュー・ジアン(Chu Jian)教授は、国土が限られるシンガポールにとって廃棄物管理は長期課題であり、より持続可能で実用的な解決策の開発で研究が重要な役割を担うと述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部