シンガポールの南洋理工大学(NTU)は7月23日、NTU社会科学部と英国ケンブリッジ大学の研究者らが、アイコンタクトによって乳児の脳活動が話し手の脳活動と同調し、乳児が重要な情報に注意を向けやすくなることを明らかにし、この働きが早期の言語学習の基礎となることを示したと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

(出典:NTU)
研究を主導したのは、NTU社会科学部のヴィクトリア・レオン(Victoria Leong)教授で、筆頭著者は同学部の研究員チャン・ウェイ(Zhang Wei)博士である。研究にはシンガポールと英国の乳児が参加した。研究チームによると、赤ちゃんは単に情報を受け取るだけの受動的な存在ではなく、社会的な手掛かりを積極的に使い、何に注意を向けるべきかを判断している。
話し手の目が乳児にはっきり見える場合、乳児の脳活動は話し手の脳活動とより密接に結び付いた。この結び付きは、乳児が意味のある音を識別し、そこから学ぶのに役立っていた。研究結果は、この能力が文化を越えて共有されている可能性を示しており、発達初期において人と人とのつながりが果たす普遍的な役割を浮き彫りにした。
今回の成果は、幼い子どもが他者との関わりを通じて学ぶ仕組みの一端を示すものである。また、保護者や教育者、養育者に対し、アイコンタクトや聞き慣れた声、あるいは単にそばにいることによる有意義な関わりが、子どもが学び、人とつながり、健やかに成長するための環境づくりに役立つ可能性を示している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部