ベトナム科学技術省(MoST)は8月6日、カナダ・サスカチュワン州政府との実務会合で、原子力技術の平和利用、人材育成、炭素回収・利用・貯留(CCUS)、鉱物加工、イノベーション、グリーン成長における協力について協議し、両者間の了解覚書(MoU)策定を検討することで合意したと発表した。
5日の会合で、ベトナムのレ・スアン・ディン(Le Xuan Dinh)科学技術副大臣は、同国が先進国入りを目指す中でエネルギー需要は今後も増加するため、安定したグリーンでクリーンなエネルギー供給の確保が極めて重要だと述べた。ベトナムは先進原子力技術、特に小型モジュール炉(SMR)とカナダのCANDU炉技術の研究に関心を示している。
同副大臣は、放射線・原子力安全分野の規制当局、管理機関、技術機関、研究機関の協力を提案した。協力分野として、法的枠組みと技術基準の整備、安全性評価、許認可、核セキュリティー、緊急時対応、使用済み燃料と放射性廃棄物の管理を挙げた。また、短期・長期の研修、専門家交流、ワークショップの開催、両国の大学・研究機関の連携を通じた原子力人材育成へのカナダの支援を求めた。
サスカチュワン州政府のリシェル・ブルゴワン(Richelle Bourgoin)貿易・輸出開発担当次官は、同州には豊富なウラン資源があり、原子力安全管理に関する幅広い経験を持つと説明した。人材育成にはサスカチュワン大学、レジャイナ大学、サスカチュワン・ポリテクニック、シルビア・フェドルク・センター、技術企業が参加しているとし、「サスカチュワン州は、研修、科学研究、原子力エネルギー開発におけるベトナムの長期的なパートナーとなることを望んでいます」と表明した。
双方はCCUS、鉱物の高度加工、技術移転、商用化についても協議した。同次官は、バウンダリーダム発電所で炭素貯留と原油増進回収を組み合わせ、排出量の削減と採取効率の向上を図るCCUSの事例を紹介した。同副大臣は、ベトナムの石油・ガス・エネルギー企業との協力が期待できる分野だとし、共同研究や技術移転、研究機関・大学・企業間の連携が可能との考えを示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部