2026年11月
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次世代太陽電池とAI画像処理を衛星で宇宙実証へ シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は10月2日、国内で開発された次世代ペロブスカイト太陽電池と、軌道上で画像を直接解析する人工知能(AI)機能を搭載した衛星CRIMSON-1の打ち上げに成功し、過酷な宇宙環境で太陽電池の性能と衛星上でのAI画像処理を試験すると発表した。

前列左から、NTU衛星研究センターのエグゼクティブディレクター、リム・ウィー・セン(Lim Wee Seng)氏、NTU材料科学・工学部のレオナルド・ン・ウェイ・タット(Leonard Ng Wei Tat)助教授、NTU電気電子工学部のレオン・ウェイ・リン(Leong Wei Lin)准教授、ウェン・ビーハン(Wen Bihan)准教授、主席研究エンジニアのリム・シル・ヤン(Lim Sir Yang)氏。NTU研究チームの他のメンバーおよびシングフィルム・ソーラー社のパートナーらとともに。
(出典:NTU)

CRIMSON-1はNTUの14機目の衛星で、10月1日に米国カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から、スペースX(SpaceX)社のファルコン9ロケットによる相乗り打ち上げミッションTransporter-18で打ち上げられた。ミッションを主導するNTU衛星研究センター(SaRC)は、宇宙機の設計・開発から打ち上げ準備、管制、軌道上運用まで一貫した能力を持つ。同衛星は、国家宇宙技術開発プログラムの下でNSASが実施する宇宙アクセスプログラム(SAP)の支援を受ける最初のプロジェクトの一つである。

太陽電池はNTUの研究者と、シンガポール国立大学(NUS)発のディープテック企業シングフィルム・ソーラー(Singfilm Solar)社が開発した。ペロブスカイトは、一般に入手可能な材料を用いて軽量で発電効率の高い太陽電池を作製できる次世代材料だ。宇宙で利用するには、ロケット打ち上げ時の物理的負荷と宇宙の過酷な条件に耐え、安定して発電できることを実証する必要がある。CRIMSON-1は打ち上げと宇宙移行後の太陽電池の耐久性と効率を試験し、地球低軌道での発電量を測定する。

AIの実験では、収集した画像を衛星上で直接解析するエッジAIコンピューティングを試験し、高負荷時の熱と消費電力の管理性能を調べる。送信前に有用な情報を特定できれば、通信容量が限られる衛星回線で送る生データを減らせる可能性がある。NTUは今年、日本のフュージック(Fusic)社と、ミッションのスケジュール策定、地上局の割り当て、日常的な運用、技術的問題の早期発見を支援するAI地上システムの検討に向けた協力を発表した。

NUSの助教授でシングフィルム・ソーラー社創業者のホウ・イー(Hou Yi)氏は「超薄型ガラス上に作製した柔軟なペロブスカイト太陽電池モジュールの初の宇宙飛行であり、シンガポール製太陽電池モジュールの初の軌道上配備です」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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