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【26-03】中国商務部、日本の企業・団体を対象とした輸出規制リスト・監視対象リストを公表

JST北京事務所 2026年02月26日

 中国商務部が24日、日本の企業・団体を対象に、デュアルユース(軍民両用)品目の輸出規制リスト(原文:出口管制管控名单)及び監視対象リスト(原文:关注名单)を発表した。両リストには子会社等を含む日本の企業・団体がそれぞれ20件掲載された。

 輸出規制リストについては、中国の輸出事業者が対象の企業・団体にデュアルユース品目を輸出することを禁止するとしている。中国国外の組織及び個人が中国原産のデュアルユース品目を対象の企業・団体に提供することも禁止しており、現在進行中の関連活動は直ちに停止しなければならないとしている。一方、特別な事情により、輸出がどうしても必要な場合、輸出事業者は商務部に申請しなければならない。

 監視対象リストについては、中国の輸出事業者が対象の企業・団体にデュアルユース品目を輸出する場合、通常の一般輸出許可や登録情報提出方式による輸出証明書の取得ではなく、個別輸出許可を申請しなければならない。申請に当たっては、リスク評価報告書を提出するとともに、デュアルユース品目を日本の軍事力強化に寄与する一切の用途に使用しない旨の書面による確約を提供しなければならない。この場合、許可審査期間は、「中華人民共和国両用品目輸出管制条例」に定める審査期間の制限を受けないとのこと。商務部は、監視対象リストに掲載された企業・団体に対するデュアルユース品目の輸出について、最終ユーザー及び最終用途審査を厳格に実施するとしている。

 いずれも公布日(2月24日)から施行される。

 監視対象リストに掲載された企業・団体が、「中華人民共和国両用品目輸出管制条例」第26条の規定に基づき、調査協力義務を履行した場合、リストからの除外を申請することができる。この場合、商務部が確認後、当該企業・団体をリストから除外することができる。

 企業のほか、輸出規制リストには防衛大学及び宇宙航空研究開発機構が、監視対象リストには東京科学大学が含まれている。

 商務部によると、関連措置はデュアルユース品目に限定されるため、一般の経済貿易活動に影響を与えず、誠実かつ法令を遵守する日本の企業・団体は全く心配する必要はないとしている。

輸出規制リスト
1 三菱造船株式会社(Mitsubishi Heavy Industries Shipbuilding Co.)(注)
2 三菱重工航空エンジン株式会社(Mitsubishi Heavy Industries Aero Engines, Ltd.)
3 三菱重工マリンマシナリ株式会社(Mitsubishi Heavy Industries Marine Machinery & Equipment Co., Ltd.)
4 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd.)
5 三菱重工マリタイムシステムズ株式会社(Mitsubishi Heavy Industries Maritime Systems, Ltd.)
6 川崎重工業株式会社航空宇宙システムカンパニー(Kawasaki Heavy Industries Aerospace Systems Company)
7 川重岐阜エンジニアリング株式会社(KAWAJU Gifu Engineering Co., Ltd.)
8 富士通ディフェンス&ナショナルセキュリティ株式会社(Fujitsu Defense & National Security, Ltd.)
9 株式会社IHI原動機(IHI Power Systems Co., Ltd.)
10 株式会社IHIマスターメタル(IHI Master Metal Co., Ltd.)
11 株式会社IHIジェットサービス(IHI Jet Service Co., Ltd.)
12 株式会社IHIエアロスペース(IHI Aerospace Co., Ltd.)
13 株式会社IHIエアロマニュファクチャリング(IHI Aero Manufacturing Co., Ltd.)
14 株式会社IHIエアロスペース・エンジニアリング(IHI Aerospace Engineering Co., Ltd.)
15 NECネットワーク・センサ株式会社(NEC Network and Sensor Systems, Ltd.)
16 日本電気航空宇宙システム株式会社(NEC Aerospace Systems, Ltd.)
17 ジャパンマリンユナイテッド株式会社(Japan Marine United Corporation)
18 JMUディフェンスシステムズ株式会社(JMU Defense Systems Co., Ltd.)
19 防衛大学校(National Defense Academy of Japan)
20 宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency)
監視対象リスト
1 株式会社SUBARU(SUBARU Corporation)
2 富士エアロスペーステクノロジー株式会社(FUJI Aerospace Technology Co., Ltd.)
3 ENEOS株式会社(ENEOS Corporation)
4 輸送機工業株式会社(Yusoki Co., Ltd.)
5 伊藤忠アビエーション株式会社(ITOCHU Aviation Co., Ltd.)
6 株式会社レダグループホールディングス(Leda Group Holdings Co., Ltd.)
7 東京科学大学(Institute of Science Tokyo)
8 三菱マテリアル株式会社(Mitsubishi Materials Corporation)
9 ASPP株式会社(ASPP Co., Ltd.)
10 八洲電機株式会社(Yashima Denki Co., Ltd.)
11 住友重機械工業株式会社(Sumitomo Heavy Industries, Ltd.)
12 TDK株式会社(TDK Corporation)
13 三井物産エアロスペース株式会社(Mitsui Bussan Aerospace Co., Ltd.)
14 日野自動車株式会社(Hino Motors, Ltd.)
15 株式会社トーキン(Tokin Corporation)
16 日新電機株式会社(Nissin Electric Co., Ltd.)
17 株式会社サン・テクトロ(Sun Tectro Co., Ltd.)
18 日東電工株式会社(Nitto Denko Corporation)
19 日油株式会社(NOF Corporation)
20 ナカライテスク株式会社(Nacalai Tesque, Inc.)

 なお、輸出規制リストには過去に他国のエンティティを対象として公表された例がある。また、監視対象リストは「中華人民共和国両用品目輸出管制条例」に規定された枠組みに基づくもので、制度自体は日本のみを対象として設計されたものではない。

 中国の制度には、このほか、信頼できないエンティティリストがある(下記「参考リンク」参照)。このリストは、中国の国家主権、安全、発展上の利益を害した者や正常な市場取引原則に違反し、中国企業、その他の組織または個人との正常な取引を中断し、または中国企業、その他の組織または個人に対して差別的措置を講じ、中国企業、その他の組織または個人の合法的権益を著しく損なった者などが対象となる。中国との輸出入や投資、入国等の制限や禁止、罰金等の対象となる。


(注)原文では英語表記が「Mitsubishi Heavy Industries Shipbuilding Co.」となっているが、同社の公式英語社名表記は「Mitsubishi Shipbuilding Co., Ltd.」であり、一致していない。

参考リンク

 

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