中国のチーム、AIで新薬候補を数十秒で探索
JST北京事務所 2026年06月25日
中国国家スーパーコンピューティング天津センターと清華大学スマート産業研究院の研究チームが、千億件規模の合成可能化合物ライブラリーから新薬候補を数十秒で探し出すAI仮想スクリーニングプラットフォーム「GalaxyVS」を発表した。従来は数カ月から数年かかる場合もあった新薬候補の初期スクリーニングを大幅に短縮できるとしている。科学網が伝えた。
新薬開発は、10年以上の時間と10億ドル以上の投資が必要とされる「ダブル10」の課題を抱えている。その中で、大量の化合物から特定のタンパク質に作用する活性分子を見つける工程が重要となる。
GalaxyVSは、千億件規模の合成可能化合物ライブラリーを対象に、「AIモデル、スーパーコンピューター、高性能検索、医薬品化学上の制約」を組み合わせたプラットフォームとして構築された。清華大学スマート産業研究院チームが先に開発したDrugCLIPモデルを基盤に、タンパク質ポケットと低分子化合物を同じベクトル空間に写像する。これにより、従来は一つずつ行っていたタンパク質とリガンドのドッキング計算を、大規模並列処理が可能な高次元ベクトル検索に置き換え、分子ドッキングの速度や規模の制約を打破したという。
実測データでは、GalaxyVSは千億件規模の分子検索を1回当たり数十秒以内に完了でき、標的ポケット1件当たりの検索時間は平均1秒未満だった。システムの1日当たりの処理量は、分子ドッキング約16兆回分に相当するという。
同チームのコアメンバーである李培順博士は、GalaxyVSについて、従来の医薬品開発における「活性分子が少ない」「スクリーニング可能な化合物空間が限られる」「候補分子が似通いやすい」といった課題の解決につながると説明した。腫瘍、神経変性疾患、新興感染症、希少疾患などの分野で、リード化合物の発見を支援することが期待される。
参考リンク
- 科学網「我国突破超大规模AI药物筛选技术:千亿级分子库秒级检索」 2026/5/25
