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中国、専門職学位の取得要件を多様化-実践成果による学位申請を推進

Science Portal China編集部 2026年11月02日

 中国国務院学位委員会弁公室は2026年10月、専門職学位の取得に関する新たな意見を公表した。従来の学位論文に代えて、実践的な成果を用いて学位を申請できる制度を導入する。第1弾として、翻訳、農業、臨床医学、会計、芸術の5つの専門職学位分野で試行する。これにより、論文の執筆能力だけでなく、実践的な課題解決能力やイノベーション能力も評価し、社会や産業界のニーズに対応した高度専門人材の育成を目指す。

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(筆者作成)

1.学位論文に加え、実践成果による学位取得を推進

 背景には、実践力を備えた高度専門人材への需要の高まりがある。2024年4月に公布された「中華人民共和国学位法」では、学位論文の答弁に加え、規定された実践成果の答弁を通じて学位を申請できることが明記された。これを受け、2024年9月には工程系の博士・修士課程を対象とする実践成果による学位申請の基本要件が試行的に公表され、140人余りの学生がこの方式で学位を申請した。

 今回の意見は、こうした先行事例を踏まえ、専門職学位における評価方法の多様化を進めるものである。実践成果の形式や内容、評価基準などを明確化し、各大学が具体的な実施規則を整備するための指針を示した。

2.実践成果の質を確保する仕組みを整備

 実践成果による学位申請を推進する一方、学位授与の質を確保するための管理体制も重視されている。各専門職学位の教育指導委員会が博士・修士それぞれの基本要件を策定し、成果の種類や形式、内容構成、記述上の規範、評価項目などを明確にする。

 実践成果は、大学院生が指導教員の指導の下で独立して完成させるか、主要な実施者として中核的な内容を担ったものでなければならない。テーマ設定の検討、成果の鑑定、専門家による審査、答弁・評価など、学位申請の全プロセスで品質管理を徹底する方針である。また、産業界の専門家が指導や評価に参加する仕組みを整備するとともに、利益相反を回避し、公正な評価を確保するための制度も設ける。

3.5分野から先行試行、産業界との連携も強化

 まずは、翻訳、農業、臨床医学、会計、芸術の5つの専門職学位分野で先行試行を進める。各分野の特性に応じた基本要件を策定した上で、各大学が教育基盤や実践環境に応じて実施規則を整備し、試行・評価・改善を経て段階的に対象を拡大する方針である。

 加えて、教育課程の設計、実践訓練、学位審査、成果の活用などの各段階で産業界との連携を強化し、大学教育と実社会のニーズとの結び付きを高めることを目指す。今回の改革は、専門職学位の評価方法を多様化するだけでなく、大学と産業界の協働を通じて実践的な人材育成を強化する取り組みといえる。今後は、実践能力を適切に評価しながら、学位授与の質をいかに保証するかが重要な課題となる。

 

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