知財・法律
トップ  > 中国 コラム&リポート 知財・法律 >  中国、新興分野の知財保護を制度化 AI・半導体でルール整備進む

中国、新興分野の知財保護を制度化 AI・半導体でルール整備進む

操秀英(科技日報記者) 2026年05月13日

 4月23日に行われた中国国務院新聞弁公室の記者会見で、国家知識産権局の芮文彪副局長は、新興分野はイノベーションが活発で技術集約度が高く、将来性も極めて大きいことから、経済・社会の質の高い発展を支える重要な成長動力になっているとの認識を示した。その上で、同局は関係当局と連携し、新興分野の発展ニーズに対応しながら、イノベーションをより効果的に奨励・保護するため、知的財産保護制度の整備を積極的に進めていく方針だと述べた。

 芮氏は、「国家知識産権局は、新興分野における知的財産保護に関する取り組みを、4つの側面から進めていく」と説明した。具体的には、第一に、既存制度を活用した保護の強化がある。例えばAI(人工知能)分野では、特許審査ガイドラインを改正し、AI関連特許申請に対する審査基準を整備するとともに、技術の発展やガバナンスの要請に対応するため、AI技術に関する倫理的配慮や判断基準を新たに盛り込んだ。

 第二に、制度改正による保護の強化だ。例えば集積回路分野では、同局は「集積回路レイアウト設計保護条例」の改正を進めており、法制度の整備をはじめ、審査規則や審査プロセスの最適化、登録・権利確定の質と効率の向上、専有権保護の強化、さらにレイアウト設計の実用化促進などを通じて、中国の集積回路産業の発展を後押ししている。

 第三に、制度の統合による効果的な保護がある。バイオ育種分野では、同局が審査規則を整備し、育種プロセスで生じる中間材料にも特許保護を認めるとともに、植物新品種制度と効果的に連携させることで、種子産業のイノベーションにおける知的財産保護の空白を解消する。

 第四に、新規制度の創設による保護の実現である。デジタル経済分野では、高付加価値データの開発・利用・取引・流通を円滑化するため、国家知識産権局が全国17の省・市でデータ知的財産権の試行事業を展開している。登録対象となるデータは国民経済の主要87業種を網羅しており、これまでに5万件近い登録証明書が発行されている。

 記者会見では、2025年に中国で認可された発明特許が97万2000件、登録商標が420万6000件、著作権登録が1067万7000件に上ったことが明らかにされた。また、地理的表示製品は104件が認定され、地理的表示が集団商標または証明商標として登録されたものが51件に達したほか、植物新品種権は6986件付与された。

 さらに、中国で発明特許の有効件数が500万件を超え、量子技術、バイオ製造、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、6G通信などの未来産業分野において、重要なコア技術に関する特許を多数保有していることも示された。


※本稿は、科技日報「国家知识产权局:完善新兴领域知识产权保护制度」(2026年4月24日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。

 

上へ戻る