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【26-015】中国工程院の工学系学術誌群が拡大 グループのブランド化・体系化・国際化へ

何 亮(科技日報記者) 2026年02月13日

 中国工程院の李暁紅院長は1月27日、中国工程院の「工程」学術誌群構築・発展会議で、「旗艦誌『工程(Engineering)』を中心に、19の専門分野別サブジャーナルを束ねた『1+19』の工学・技術系学術誌群の新たな体系を正式に発表する。これは、中国の工学・技術分野が世界トップレベルの学術誌群構築において重要な一歩を踏み出したことを示している。『工程』学術誌群は10年以上にわたる発展を経て、今回さらに拡大し、ブランド化・体系化・国際化という新たな発展段階に入った」と述べた。

 2015年3月に創刊された「工程」は、総合的かつ国際的な工学・技術分野の学術誌として位置付けられてきた。十数年にわたる継続的な構築と注力により、学術的影響力は向上している。旗艦誌「工程」の最新インパクトファクターは11.6で、世界の工学総合分野175誌の中で3位に位置付けられている。学術誌群傘下のサブジャーナル7誌がSCI(科学引用索引)に、2誌がESCI(新興資料引用索引)に収録されており、すべてが「ジャーナル・サイテーション・レポート」の第2区分(JCR Q2)以上に入っている。

 工学・技術系学術誌群の構築成果が「現れ始めた」この段階での拡大は、時宜を得たものだ。中国工程院院士(アカデミー会員)であり、北京科技大学都市化・都市安全研究院院長の岳清瑞氏は、「中国の工学・技術分野は国際的に遅れておらず、多くの分野で先進水準にある。しかし、学術誌というソフトパワーは弱点であり、とりわけ中国の科学技術の実際の地位と釣り合っていない。必ず追いつき、追い越さなければならない」と率直に語った。

 今回新たに加わった学術誌には、AI、スマート製造、バイオ医学工学、革新的材料などの分野が含まれる。今回新設された10誌の分野別学術誌の一つである「工程・都市」の編集長を務める岳氏が重視するのは、同誌が業界の空白を埋めるにとどまらず、その創刊の緊急性と現実性にある。岳氏は、「現在、世界の都市化率はすでに50%を超えており、将来的には70%に達する可能性がある。これにスマート時代の到来や各種災害リスクへの対応が重なり、都市の安全な運営に対する要求は一層高まっている。中国における都市安全レジリエンスという時代的課題は、全分野横断型の研究を必要としており、都市の発展と管理には科学的な提言が欠かせない」と述べた。

 今後「工程」学術誌群は引き続き拡大し、「基幹ジャーナル+サブジャーナル+パートナージャーナル」からなる「1+N+M」の発展モデルを段階的に形成していく方針だ。より広範な領域をカバーし、構造的にもより完備した工学・技術系学術誌体制を構築し、学際的融合の促進と中国の工学・技術成果の発信に向けた確かなプラットフォームを提供する狙いだ。

 では、学術的リーダーシップをいかに拡大し、「工程」学術誌群の発言力を高めていくのか。クラリベイトの大中華区学術・政府業務副総裁である王利氏は、「一方では、大規模な出版グループが学術誌構築を主導し、学術誌を『単独行動』から、学術誌群としての『大規模作戦』へと発展させる必要がある。総合的かつ影響力のある論文を引き付ける魅力を確保しつつ、同時に細分化された分野にも的確に対応できるような、全体的な構造設計が求められる。他方では、長期的にブランド構築を続け、国際的な発信を重視することが重要だ。中国の優れた論文を中国の学術誌に掲載するとともに、国際的に認められるようにするべきだ」と述べた。


※本稿は、科技日報「影响因子跃升 工程期刊"扩容"----中国工程院刊群建设迈向品牌化、体系化、国际化」(2026年1月30日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。

 

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