中国、AIとエネルギーの相互活用へ 発展改革委など4部門が行動計画
劉園園(科技日報記者) 2026年05月22日
中国の国家発展・改革委員会、国家エネルギー局、工業・情報化部(省)、国家データ局の4部門は5月8日、「人工知能(AI)とエネルギーの双方向活用促進に関する行動計画」を発表した。
同計画は、AI発展を支える基盤としてのエネルギーの役割を強化するとともに、AIをエネルギートランスフォーメーション(EX)に活用することを目的としている。AIとエネルギーの相互活用を進め、両分野の融合を深める方針だ。
行動計画では、2027年までに、AIのイノベーションを支える、安全・グリーン・経済的なエネルギー保障体系を基本的に構築するとの目標を掲げた。クリーンエネルギーと計算能力インフラの連携能力を高め、エネルギー分野でAIの活用効果が見込まれる応用場面を段階的に開放・活用する。同分野の高品質データセットについては、共同構築・共有を進める長期的な管理メカニズムを基本的に整備し、エネルギー企業の計算資源の利用効率を継続的に改善する。
2030年までには、AI向け計算能力インフラへのクリーンエネルギー供給保障能力、エネルギー分野に特化したAI技術の研究開発と応用について、世界トップレベルに達することを目指す。AIとエネルギーの相互活用についても、目に見える成果を出すことを目標としている。
行動計画は、AIとエネルギーの双方向活用を主軸に、10分野の内容を整理し、29項目の重点任務を盛り込んだ。
AIのイノベーションを支えるエネルギー保障体系の構築に向けて、行動計画は、計算能力インフラに対する安全で信頼性の高いエネルギー供給を確保するよう求めている。エネルギー資源と計算能力インフラの配置を一体的に最適化し、計算能力インフラに対する多様な電力供給能力を高めるほか、エネルギー供給の品質向上も進める。
また、計算能力インフラのグリーン・低炭素化を進め、グリーン電力の比率と計算能力インフラのエネルギー効率を継続的に高める。さらに、計算能力と電力の効率的で経済的な連携を促進し、両者の協調運用を強化する。計算能力と電力を連携させる市場メカニズムの整備も重点任務に含まれる。
エネルギー分野でのAIのイノベーション活用を強化するため、行動計画は、エネルギー分野でAIの活用効果が見込まれる応用場面を開放するとした。具体的には、そうした応用場面を掘り起こし、開放したうえで、一定規模での活用につなげる。
エネルギーデータの価値を引き出すことも重視する。行動計画は、エネルギー分野の高品質データセットの構築を進めるとともに、エネルギーデータの安全性とプライバシー保護を強化するよう求めた。あわせて、エネルギーデータ要素市場の活性化も進める。
エネルギー分野におけるAIモデルのイノベーションについては、エネルギー専門モデルの技術開発を迅速に進める。AIの先端技術についても、エネルギー分野での研究開発と応用を強化する。
AIとエネルギーの協調発展に向けたエコシステムの構築では、「AI+エネルギー」の標準化を進める。あわせて、「AI+エネルギー」の安全ガバナンス体系の構築を検討し、複数分野が融合する国際交流・協力を促進する。AIとエネルギーの双方に通じる複合型人材の育成体系も構築する。
国家エネルギー局は今後、関係部門、地方政府、企業が連携して進める活動メカニズムの構築を推進する。AIとエネルギーの双方向活用に必要な各種要素の保障を整え、企業がイノベーションの主体として役割を果たせるようにしながら、AIとエネルギーの融合発展を一体的に進める方針だという。
※本稿は、科技日報「四部门发文促进人工智能与能源双向赋能」(2026年5月9日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。
