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中国、宇宙で「二世代連続」のイネ栽培へ―深宇宙時代を見据えた食料生産研究が始動

Science Portal China編集部 2026年05月29日

 中国は2026年5月、有人宇宙船「神舟23号」の打ち上げにあわせ、水稲種子を宇宙ステーションへ輸送した。今回の実験では、微小重力環境下でイネを二世代連続して栽培することが計画されており、宇宙空間における植物の遺伝的安定性や環境適応メカニズムの解明が期待されている。

 中国はこれまでも宇宙でイネ栽培を行ってきた。2022年には、宇宙ステーション内で種子の発芽から収穫までを完了させ、採取した次世代種子を地球へ持ち帰っている。今回の実験は、その延長線上に位置づけられるが、大きな特徴は「宇宙で生まれた世代を、再び宇宙で育てる」という点にある。

 実験では、宇宙環境を経験した系統の後代と、地上で育成された通常系統を比較し、微小重力環境下での適応性や世代を超えた影響を検証する。

 地球上の生物は、一定の重力環境のもとで進化してきた。そのため、無重力に近い宇宙空間では、植物の成長方向、代謝、遺伝子発現などに変化が生じる可能性があると考えられている。特に、こうした変化が世代を超えてどのように受け継がれるのかは、長期宇宙滞在を見据えるうえで重要な研究課題である。

 将来的に人類が月や火星などへ進出する場合、地球から食料を継続的に輸送することは現実的ではない。そのため、現地で安定的に作物を栽培できるかどうかは、深宇宙探査の成否を左右する要素の一つとなる。もし宇宙環境下で世代を重ねるごとに作物の品質や生産性が低下するなら、持続的な食料供給は難しくなる。

 実験には、遺伝子や分子メカニズムに関する研究蓄積が豊富なジャポニカ系統が用いられる。地上での解析データと比較することで、宇宙環境による変化を把握しやすいという利点がある。

 実験後は、持ち帰った試料について形態変化や分子レベルでの解析が行われる。研究成果は、宇宙農業技術の発展に加え、環境ストレスに強い新品種の開発など、地上農業への応用にもつながる可能性がある。

 今回の実験では、宇宙環境下で世代を重ねたイネにどのような変化が生じるのかを調べる。得られたデータは、将来の宇宙での作物栽培や、地上での品種開発に向けた研究に活用される見通しだ。

 

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