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「力鴻2号」、初飛行でタンパク質・医薬品の結晶化実験へ

付毅飛(科技日報記者) 2026年10月15日

 中科宇航がこのほど広州実験室と宇宙製薬ペイロードをめぐる共同研究開発に着手し、宇宙製薬に関する実証試験を共同で実施する計画であることが9月28日、中科宇航への取材で分かった。第1陣のペイロードは2027年第1四半期(1~3月)に再使用型飛行体「力鴻2号」に搭載され、弾道飛行中にタンパク質および低分子医薬品の結晶化実験を実施し、宇宙製薬装置の初期段階の技術検証を行う計画だ。

 今回の協力では、広州実験室が医薬品の結晶化に関する研究課題を設定し、実験計画、サンプル、地上対照実験、結果分析を担当する。共同研究の中心となる徐強研究員のチームは、長年にわたり高度医療機器、MEMS(微小電気機械システム)センサー、顕微イメージング技術の研究に取り組んでおり、これまでに培ったバイオ医薬分野の自動化技術とその場観測技術を、宇宙実験用ペイロードに応用する。中科宇航は宇宙プラットフォーム、実験環境の確保、システムインターフェース、打ち上げ・帰還、ミッション運営を担当し、双方が共同で宇宙製薬ペイロードの工学設計を行う。

 装置開発の面では、双方は実験操作とプロセス観測の自動化レベルの向上に重点を置く。例えば、宇宙生物実験向けの全視野細胞イメージング装置について、チームはすでに小型化、軽量化、低消費電力化の設計を進めており、自動焦点合わせ、連続撮像、画像分析などの機能によって、装置の自律運転能力とデータ取得能力を高めている。こうした技術により、宇宙空間での実験に必要なリソースを減らし、宇宙で使用するバイオ医薬研究用装置の継続的・大規模な利用につなげることを目指している。

 徐氏は、「現代医学では、より高品質な構造データ、より安定した医薬品の結晶形、人体により近い疾患モデル、より効率的なスクリーニングツールに対する需要が数多く存在しており、宇宙環境はその一部の課題に対して新たな解決策を提供する可能性がある」との見方を示す。

 宇宙の微小重力環境は、一部のタンパク質がより高品質な結晶を形成するのに有利であるほか、低分子医薬品の結晶形のスクリーニングや粒子制御に新たな実験条件を提供することもできる。また、細胞は3次元の凝集体を形成しやすくなり、疾患のメカニズムや薬物反応の研究に利用できる。

 ただ、宇宙製薬を産業化へと発展させるには、コスト、実験結果の再現性の検証、製品品質の安定性などの問題も解決しなければならない。これについて中科宇航は、新薬のサンプルを適切な状態で保つための要件を、全体設計の段階から組み込んでいる。サンプル側では固有の識別情報と全プロセスの状態記録を整備し、ペイロード側では密封性、汚染防止、温度保持、防振・衝撃緩衝を強化する。帰還中は重要な環境パラメーターをリアルタイムで監視し、着陸後は管理下で速やかにサンプルを輸送し、一連の記録を通じて、宇宙実験前後のサンプルの同一性や状態を確認できるようにする。


※本稿は、科技日報「力鸿二号首飞将开展太空制药装备技术验证」(2026年9月29日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳・転載したものである。

 

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