2023年12月18日-12月22日
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さまざまな業界を活性させる中国製ドローン

2023年12月19日

 ドローンは近年、人々の生活の浸透している。中でも空撮がもっともよく知られているが、撮影用ドローンのほかに、各専門分野に応用されている産業用ドローンも密かに我々の生産と生活を変えている。農林植物保護や緊急救助、文化財保護、電力点検など、技術の進歩と成果の実用化に伴いドローンの活躍の場が広がり続けており、各業界を活性化させている。人民日報海外版が伝えた。

文化遺産保護での活躍

 北京市延慶区にある八達嶺長城。北風の中、2機の「大疆機場2」ドローンが昼夜にわたり南楼区間と北楼区間を見守っている。

 5本のドローン総合巡回ルートは、景勝地の一般公開区間をほぼカバーしている。毎日10回の飛行を自動で行い、その映像をリアルタイムで管理センターに送信し、観光客によるマナー違反を迅速に発見し、それを阻止している。夜間になると、観光客が隠れて一夜を明かそうとした場合なども、ドローンの目である「赤外線カメラ」からは逃れられない。ドローンは2週間ごとに重点エリアの高精度3Dモデルを自動生成し、モデルの変化を比較することで山崩れや城壁の移動などを速やかに発見でき、検査と修復を円滑にしている。

農業植物保護での活躍

 綿花は収穫前に葉を枯らすという重要な作業がある。新疆ウイグル自治区アクス地区温宿県では、三和植保公司のドローン操縦者、朱鋭さんがコントローラーを持って畑のそばに立つと、M-22植物保護ドローンが綿花畑の上空を飛び、枯葉剤を散布した。

 朱さんは「枯葉剤を使って葉を落とすと、枝と綿花はそのままにでき、収穫時に葉が混入して質が落ちるのを防ぐことができる。M-22は我々と提携パートナーが共同開発したもので、1日で26.7~33.3ヘクタールの綿花畑で散布作業ができる。クルミやナツメ、リンゴ、小麦、防風林などの農林作物のすべてで植物保護ドローンを使っている。農家の仕事がだいぶ楽になり、収益が上がった。増産率は10%以上で、農家の1ムー(約6.7アール)当たりのコストが30%以上下がった」と語った。

各業界での活用を支えるイノベーション

 大疆機場の上級企業戦略ディレクターである張暁楠氏は「完成品はシンプルに見えるが、その裏側には複雑な技術サポートがある。ユーザーの悩みを把握し、製品に磨きをかけ、成熟させ市場から認められるまで、大疆機場は10年を費やした。今やその製品は第2世代まで更新され、体積が75%、重量が68%減少した。よりコンパクト、スマート、優秀になった。最大有効作業半径と飛行時間が大幅に増え、専門的な測量分野での応用を切り開いた」と述べた。

 ドローンにとって、動力システムはその潜在能力を強く制約するものとなる。動力をさらに強くすることは可能だろうか。

 翼竜シリーズドローンは近年、複数回の緊急救助任務において優れたパフォーマンスを見せている。その中で使われているZF850ターボジェットエンジンは中発天信(北京)航空エンジン科技公司が製造したものだ。同社関係者は「技術チームはエンジン分野に数十年携わってきた。2018年から既存の技術をベースに改造・アップグレードし、制御システムを改良し、エンジンの寿命を大幅に伸ばしその性能を高めた。これによりドローンは力強い心臓を持つようになった」と述べた。

 自動車と同様、新エネルギー車やハイブリッド技術もドローン分野で応用されている。

 重慶交通大学グリーン航空技術研究院の陳全竜副院長は、「完全電動ドローンは操作しやすく、安定性が高いが、航続距離が短い。それに対し、完全燃料ドローンは制御への反応と感度が鈍い。ハイブリッドドローンは2種の動力のドローンが持つ優位性を兼ね備えている。飛行中に2種の動力のスムーズな切り替えを実現するのは容易ではない。当院は長年にわたる研究開発を経て、ハイブリッド複合翼ドローンを独自に研究開発し、テスト飛行を行った。最大離陸標高は3000メートル、重さ25キロのペイロードを搭載し数百キロ飛行できる。最高時速は150キロで、世界の最先端レベルに達している」と説明した。

 科学研究成果の持続的な産出が集積し、産業チェーンの深い蓄積となった。中国科学院ドローン応用・コントロール研究センターの譚翔執行秘書長は、「国内のドローン技術のレベルが持続的に上がり、複数の代表的な企業が誕生するとともに、研究開発、生産、販売、サービスを一体化した整った産業チェーンが形成され、国際市場で高い競争力を持っている。ドローン産業は新材料、マイクロエレクトロニクス、通信、ナビ・測位、画像認識・処理、人工知能などの新技術分野を融合させており、高い科学技術力と産業付加価値を持つ。国家経済・民生や国家安全保障に関わる新興産業であり、業界の制空権を狙い、主導権を争う重要な手段となっている」と述べた。

 
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