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中国科学院の研究者、「抗疲労」3Dプリントチタン合金を開発

2024年03月07日

 中国科学院金属研究所の張哲峰氏のチームがこのほど、高い抗疲労性能を持つ3Dプリントチタン合金材料を作り出した。研究成果は2月29日付の学術誌「ネイチャー」に掲載された。人民網が伝えた。

 研究チームは「理想的な状態において3Dプリント技術で直接作成するチタン合金組織(ネットAM組織)は極めて高い抗疲労性能を持つはずだが、プリント中に生じる気孔などの欠陥により、組織の抗疲労性の長所が失われ、実測した3Dプリント材料の抗疲労性能は大幅に低下している。また、現在の気孔除去プロセスは往々にして組織の粗化を伴い、組織の細密化処理が気孔の再発をもたらし、さらには結晶粒界におけるα相の濃化などの新たなマイナス要素を引き起こすことがあり、ジレンマに陥ってしまう」と提起した。

 研究者はTi-6Al-4V合金で、高温状態の3Dプリント組織の結晶粒界移動と気孔の成長、相転移プロセスが非同時性の特性を示すことを初めて発見した。これは、貴重な熱処理のプロセスウィンドウが存在することを意味し、縞状組織の細密化を実現できる上、結晶粒界におけるα相の濃化や気孔再発も効果的に抑制できる。そのため、研究者は巧みにこのプロセスウィンドウを利用し、欠陥と組織を段階的に調整する新しいプロセスを開発。ほぼ気孔が存在しないニアネットAMに近い組織「Ti-6Al-4V合金」を作り出した。その引張-引張疲労強度は当初の475メガパスカルから978メガパスカルに向上した。

 比較した結果、この合金はすべてのチタン合金材料の中で最も高い引張-引張疲労強度を持つだけでなく、これまで報告されている材料疲労データの中で最も高い比疲労強度(疲労強度/密度)を持つことも分かった。

金属研究所(中国科学院傘下の研究所)
 
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