中国天津市浜海新区国家アニメパークの大型モーションキャプチャースタジオに足を踏み入れると、周囲には30台以上の高画質赤外線カメラが取り付けられている。特別な装備を身にまとったモーションキャプチャー俳優の撮影が行われており、同じ動きをするバーチャルアニメキャラクターがコンピューター画面に現れた。新華社が伝えた。
国家アニメパーク公共技術サービスプラットフォームモーションキャプチャースタジオの技術顧問を務める崔盛輯氏は「これはアクションのデジタルツインだ。光学モーションキャプチャー技術を利用し、スタジオ内の複数のカメラが俳優の特定のマーカーを捕捉し、ミリ秒級のスピードでキャラクターの動きの軌跡を計算してからデータをコンピューターに送り、バーチャルキャラクターの動きを実現する」と説明した。
デジタルツインとはバーチャル3D技術を使用し、現実の静的物体、人、周辺環境をコンピューターによって再現した後、現実の各種センサーのデータに接続させ、最後にAR(拡張現実)やVR(仮想現実)または各種ディスプレイなどの媒体に表示する技術だ。テクノロジー感満載だが、都市のスマート管理やクリエイティブ産業など複数の分野ですでに応用されている。
崔氏は「デジタルツイン技術の応用でよく知られているのは、静的模型のデジタル化だ。例えばバーチャル都市の構築は、実際の都市のストリートビューをデジタルレンダリングすることでバーチャル空間に「移動」し、データを収集・加工して都市の全体像を描き出し、都市管理のスマート化を実現する」と述べた。
「我々が主に取り組む技術は動的デジタルツインだ。例えば人の姿勢のデータ分析はスポーツ医学や無形文化遺産のモーションデータの保存などに活用できる」。崔氏のチームはこのほど、天津市浜海新区太極拳協会と協力し、太極拳のモーションデータを保存した。「デジタル技術により、これらの無形文化遺産を保存できる」と崔氏は語る。
「85後(1985~1989年生まれ)」の崔氏はデジタル技術関連の仕事に10年近く従事している。「私は幼い頃からゲームが好きだったが、その裏側にある技術的論理を調べる方がより好きだった」。崔氏はゲームアートからデジタル技術業界に移り、デジタル世界で活躍している。崔氏は、デジタル空間は現実を拡張し、人々の問題解決を効率的にサポートできると考えている。
モノのインターネット(IoT)やビッグデータ、人工知能(AI)などの技術が発展するのに伴い、デジタルツインの応用が可能になり、関連する技術者も次々と現れている。人的資源・社会保障部(省)が近年発表した18の新職業の中にもデジタルツイン応用技術者が入った。
このテクノロジー感満載の新たな職業は、多くの人に就職のチャンスをもたらしている。バーチャルシーンを構築する需要を受け、アバタークリエイターやモーションキャプチャーアーティスト、モーションキャプチャー俳優などの職業が、ソーシャルプロダクツやゲーム制作などの分野で活躍している。
「私は主にバーチャルキャラクターのデータの修飾を担当している」。実習生の丁銘さん(22)はVR専攻で、大学卒業後もチームで働き続けたいと考えている。崔氏のチームでは、丁さんのような「00後(2000年代生まれ)」が60%以上を占めている。彼らは自らの想像力によってバーチャル宇宙で「新世界」を開発し、バーチャルとリアルの間で科学技術と美学が織りなす魅力を描いている。
新たな職業は経済・社会発展に新たなトレンドと新たな活力を提供する。中国のデジタル経済の規模は近年、持続的に拡大している。昨年発表された「中国都市デジタル経済発展報告書(2023)」によると、中国の現在のデジタル経済の規模は50兆元(1元=約21円)を超え、世界2位を維持している。各業界におけるデジタル化の急速な推進に伴い、デジタル人材の需要も増加し続けている。
