2025年01月14日-01月17日
トップ  > 科学技術ニュース >  2025年01月14日-01月17日 >  種業関係者が集まる海南省の「南繁硅谷」

種業関係者が集まる海南省の「南繁硅谷」

2025年01月17日

 中国海南省で開かれた第4回三亜国際種業科学者大会で、三亜智数生物科技の蒋思マーケットマネージャーは「2023年末に設立した当社の売上高は3000万元(1元=約21円)以上だった。海南省の『南繁硅谷(硅谷はシリコンバレーという意味で、科学技術イノベーションが進んだ地域を指す)』には多くの種業企業や科学研究プラットフォームが集まっており、発展の大きなポテンシャルを秘めている」と語った。中国新聞網が伝えた。

「南繁」とは中国の南方地域、特に海南島南部の気候条件を利用し、夏に北方地域で栽培した農作物育種材料を冬や春に南方地域でさらに一期もしくは二期栽培する農作物育種方法を指す。24年に発表された「国家南繁硅谷建設計画(2023−30年)」では、30年までに科学研究、生産、販売、科学技術交流、成果実用化を一体化した、中国国内に寄与する「南繁硅谷」を完成させることが打ち出された。

 南繁硅谷は三亜市崖州区を中心に、南繁科技城や世界動植物遺伝資源導入中継拠点を集中的に展開するもので、三亜、陵水、楽東の3市・県を軸に、国家南繁科学研究育種保護区を建設し、海南島全体に複数の良種繁殖拠点や現代種業産業パークを設置する。報道によると、三亜崖州湾科技城には現在、3100社以上の種業イノベーション企業が集まっている。

 海南省党委員会常務委員で三亜市党委員会書記の王祺揚氏は「国際的影響力を持つ南繁硅谷の成長が加速している。三亜市では中国の農業分野で唯一の国家実験室の設立と運営を推進している。また、海南省最大の国家野生稲遺伝資源田が完成し、使用開始された。種業のイノベーションの成果が出ており、三亜は従来の単純な育種拠点から全産業チェーンが最適化・高度化した種業先進地へと大きな変貌を遂げている」と述べた。

 三亜智数生物科技の隋耀バイオ情報エンジニアは「5年前に初めて三亜南繁科技城を訪れた際に目にしたのは、広大な建設現場だった。今や各科学研究機関の実験ビルが林立し、多くの大学がパークに入居し、種業に従事する多くの若者はここでの発展を求めている。学問を続けて研究をする人や企業に入って成果の実用化を推進する人に対し、南繁科技城は理想的な道を提供できる」と語った。

 中国工程院外国籍院士(アカデミー会員)で、元アフリカ科学アカデミー会長のフェリックス・ダパレ・ダコラ氏は、三亜南繁の種業発展に期待して24年より南繁科技城に常駐しており、中国とアフリカの農業・種業の交流と協力を推進しようとしている。同氏は「南繁硅谷には世界の種業科学者が集まっており、相互交流は種業の研究活動に大きなプラスの影響を与えている」と語った。

 中国科学院の銭前院士は南繁硅谷の建設について「世界の動植物遺伝資源導入中継拠点の建設が近年、持続的に推進されている。農業農村部(省)ゲノム編集イノベーション利用重点実験室(海南)や三亜加速器変異誘発育種実験室などが稼働し、南繁硅谷の科学技術力が向上している。南繁硅谷の完成までには必ず困難にぶつかるだろうが、方法は困難より多い」と述べた。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

中国科学技術ニューストップへ
上へ戻る