2025年06月16日-06月20日
トップ  > 科学技術ニュース >  2025年06月16日-06月20日 >  使用寿命18万時間! 中国科学技術大学が超高安定のペロブスカイトLEDを開発

使用寿命18万時間! 中国科学技術大学が超高安定のペロブスカイトLEDを開発

2025年06月18日

 中国科学技術大学の肖正国教授の研究チームは「弱空間閉じ込め」という新たな手法を打ち出し、より大きな結晶粒と高温耐性を持つ全無機ペロブスカイト薄膜の作製に成功した。この技術により、LEDの輝度は116万ニト以上に向上し、使用寿命は18万時間を超えるという。研究成果は11日、国際学術誌「ネイチャー」に掲載された。科技日報が伝えた。

 ペロブスカイトは、発光効率が高く、コストが低く、柔軟に製造できる新材料で、太陽電池やLED、センサーなどへの応用が期待されている。しかし、従来のペロブスカイト材料では、電子と正孔(ホール)が効果的に衝突して発光することが難しいため、研究者はこれまで、「強空間閉じ込め」という手法を採用することが多かった。例えば、非常に小さなナノ粒子や極薄の材料層を作製することで発光効率を高めていたが、これらの方法では、LEDの高輝度の実現が困難で、使用寿命が短く、数時間の連続稼働しかできないという問題があり、実用化には課題が残っていた。

 肖氏のチームはこの問題を解決するため、「弱空間閉じ込め」という従来と完全に異なる戦略を打ち出した。ペロブスカイト材料に亜リン酸と塩化アンモニウムという2種類の化合物を加え、高温アニール処理によって、結晶粒がより大きく、欠陥が少ない新たなペロブスカイト薄膜を作製した。この新材料は内部構造がより秩序正しいため、従来の手法によって作製された小結晶が持つ欠陥問題を回避し、LEDの安定性と輝度を大幅に向上させるという。

 新型ペロブスカイトLEDは発光効率が22%を超え、市販のディスプレイ製品の発光効率と同等だ。現在市場で主流の商用OLEDやLEDディスプレイと比べると、新型ペロブスカイトLEDの最大輝度は116万ニトに達する。人々が日常的に使用するディスプレイの最大輝度が通常数千ニトであり、正常な輝度を100ニトとして計算すると、新型ペロブスカイトLEDは理論的に18万時間以上の使用が可能で、市販のLED製品の耐久性基準を大きく上回る。

 研究チームによると、今回の画期的な技術はこれまで両立が困難だったペロブスカイトLEDの効率と安定性という技術的課題を打破しており、将来的には高性能ディスプレイや超高輝度照明などで幅広く取り入れられ、LED技術の新たな時代を切り開く可能性があるという。

中国科学技術大学
 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

中国科学技術ニューストップへ
上へ戻る