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北京大学などの研究チーム、「感知する」ロボットハンドを開発

2025年06月24日

 北京大学人工智能研究院、北京大学武漢人工智能研究院、北京通用人工智能研究院、北京大学工学院とロンドン・クイーンメアリー大学の共同研究チームはこのほど、高分解能の触覚センサーと高度な運動機能を備えた生体模倣型ロボットハンド「F-TAC Hand」の研究成果を学術誌「Nature Machine Intelligence」で発表した。この高性能ハンドは、手の表面の70%が高密度な触覚センサーで覆われ、空間分解能は0.1ミリメートルとなっており、1平方センチメートル当たり約1万個の触覚点に相当する。この仕様は、従来型ロボットハンドのような、指先のみに力覚センサーを備える設計とは大きく異なる。光明日報が伝えた。

 ロボットが水がいっぱい入ったコップを持ち上げる時、人間のようにその重さや触感に応じて指の位置や力加減を微妙に調整する。SF映画のようなこの光景は現在、北京大学などの研究チームの手によって現実のものとなった。

 論文の筆頭著者で、北京大学博士課程生の趙秭杭氏は、「人類の手の柔軟性と適応力は、高密度の触覚感知能力に大きく依存し、これにより、つかむ過程を正確に感知して調整している。だが、ロボット分野では、運動機能を損なうことなく手全体に触覚センサーを配置するのは常に難題とされてきた」と説明した。

 論文の責任著者で、北京大学人工智能研究院の助理教授(助教)を務める朱毅鑫氏は、「『F-TAC Hand』は人間の手の生物的知性から着想を得て設計された。人間の皮膚に無数の神経が張り巡らされ、脳がそれを高速処理する仕組みを模倣し、17個の高分解能触覚センサーを6種類の異なる配置パターンで手のひら内部に組み込んだ。これらのセンサーは、鋭敏な『感知神経』であると同時に、構造を支える『骨格』の役割も果たしている。このような統合設計により、F-TAC Handは高い運動性能を維持しながら、広範囲の触覚カバーを実現した」と述べた。

 触覚情報のフィードバックが乏しい従来のロボットハンドは、複雑で変化の激しい環境下では対応しづらかった。F-TAC Handのブレイクスルーは、人間のようにリアルタイムで接触の変化を感知し、瞬時に動作を切り替えられる点にある。論文の共同筆頭著者で、北京大学博士課程生の李宇颺氏は、「ロボットハンドの関節の高度な柔軟性が制御における難題だった。そのためチームは、確率モデルに基づいたスマートアルゴリズムを開発し、人間の多様な把持動作(つかみ方)に極めて近い戦略を生成し、19種類の一般的なつかみ方をカバーしている」と説明した。

 実験では、最適なつかみ戦略が予期せぬ事態(物体との衝突など)に遭遇した場合でも、F-TAC Handは約100ミリ秒以内に危機を感知し、瞬時に戦略を切り替えることができた。物体をつかむ600回のテストでは、動作の誤差や衝突リスクがある状況下でも、触覚システムを持たない場合の成功率53.5%から、100%へと向上した。この触覚に基づく閉ループ型のフィードバック機構は、ロボットが家庭・医療・工業といった不確実な環境下でも安定して作業を行うための重要な基盤となる。

 専門家らは、F-TAC Handが将来「人の手が必要とされる多様な場面」で応用される可能性に注目している。中でも、精度が重視される手術支援や精密組立、航空宇宙、災害対応などの分野においては、人間の手を上回る安定性を示すこともあるという。

(画像提供:人民網)

北京大学
 
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