2025年06月23日-06月30日
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自動運転コンバインの導入で収穫率が7割向上

2025年06月26日

 中国江蘇省句容市のスマート農場では麦の収穫期を迎え、キャタピラー式コンバインが収穫作業を行っている。人民日報が伝えた。

 コンバインの前面にある幅約2メートルのヘッダは、1秒当たり8キロの麦を収穫することができる。収穫した後、コンバインに搭載されているドラム式の脱穀機で、穂から粒が外されてタンクに入れられる。麦の殻とわらはコンバイン後ろ側のパイプから外へ吐き出され、畑の肥料となる。

 農場の収穫を請け負っている句容春田生態農業発展有限公司の夏洪宇総経理は、「ここはスマート農場で、この3台は自動運転コンバインだ」と紹介。操縦席には人は乗っておらず、パネルには1350ムー(1ムーは約6.7アール)の麦畑が24分割され、境界ラインがはっきりと表示されていた。自動運転コンバインはこのルートに沿って、収穫するという。

 各農場の条件に完全にマッチする既製のコンバインを見つけることは難しい。そのため、夏氏は3台の自動運転コンバインについて、「坂を上るパワーの強いキャタピラー式コンバインを購入した。自動水平機能とスピンターン機能が付いているので、丘陵や山地での作業に適している。ただ、それだけでは全く足りず、一連の改造も行った」と説明した。

 自動運転コンバインはどんな仕組みで動くのか。夏氏によると、自社でアプリを開発し、それを使ってルートを設定することで、コンバインのコントロールシステムが操作コマンドを受信し、自動でハンドル操作やギアチェンジが行われ、コンバインが動き出すのだという。

 作業状況を把握するため、コンバインにはアンテナがついており、北斗衛星測位システムを通して、リアルタイムで位置測定ができる。また、コンバインには、5つのカメラが付いており、周囲の状況を確認でき、トラブルが発生した時には、緊急停止ができるようになっている。ヘッダとタンクには、圧力センサーが搭載されており、収穫量を検知し、タンクが満タンになると、測位システムがトラックの位置と傾斜角度を確認し、収穫した麦をトラックに移すことができる。

 夏氏は「従来の人手によるコンバイン操作と比べると、絶対速度という面では、自動運転コンバインには特に強みはないものの、24時間連続で作業できるメリットがある。1日フル稼働すると、約200ムーを収穫でき、作業員が8時間作業するのと比べると、効率が70%以上向上することになる。また、自動運転コンバインは、小麦を踏んだり、刈り忘れたり、収穫物をこぼしたりしないため、収穫の損失を少なくとも50%減らすことができるほか、人件費を3分の2削減できる。以前、コンバイン3台に、操縦者は3人必要だった。でも、今は1人で全てを管理できる」とそろばんをはじく。

 収穫の効率が上がると、受注できる作業も増える。夏氏は「現在、自動運転コンバインは大人気で、浮いた時間を使って、安徽省や江西省、湖北省などで収穫作業を行うこともできる」と話す。

 自動運転コンバインは、スマート農場の作業自動化の一環だ。夏氏によると、高い基準の田畑建設やAI技術を応用した合理的な管理を通じて、虫害の発生状況や作物の生長状況を自動認識し、農機の作業をモニタリングすることで、小麦の1ムー当たりの生産量が250~500キロ増えたという。浮いた人件費や、他地域の作業で得た収入を加えると、4年で投資を回収できるという。

 句容春田生態農業発展有限公司の従業員、駱志堯さんは、「私たちは新米の農家だが、暑い日に田畑で汗だくになる必要はなく、クーラーのきいた部屋で、コンバインを操作して収穫を進めることができる。これは、先進的な農機がもたらしてくれた最大の満足感だ」と語った。

 
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