2025年08月25日-08月29日
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広州医科大学の研究チーム、遺伝子編集ブタの肺の人体移植に成功

2025年08月28日

 広州医科大学の研究チームは25日、英国の学術誌「Nature Medicine」のオンライン版に論文を発表し、世界で初めて遺伝子編集したブタの肺を、脳死状態の患者に移植することに成功したと報告した。研究成果は、肺移植のドナー不足を緩和する可能性があるとして、国際的な専門家から「移植分野における画期的な一歩」と評価されている。新華社が伝えた。

 広州医科大学附属第一医院の何建行教授率いる研究チームは、遺伝子編集を行った巴馬香豚(広西チワン族自治区特産のブタ)の左肺を脳死患者に移植した。ドナーとなったブタについては、6カ所の遺伝子を編集することで、人体移植後の免疫リスクを低減させた。手術後の呼吸・血液・画像モニタリングの結果、移植肺は9日間にわたり換気とガス交換機能を維持し、その間、超急性拒絶反応は生じず、病原学的モニタリングでも活発な感染は認められなかった。

 何氏は、「世界的に臓器移植の需要は年々高まっており、異種移植はドナー不足を解決する一つの方法と考えられている。今回の成果は異種肺移植の分野で重要な一歩を踏み出したことを意味する」と説明した。

 そして、「今後は、遺伝子編集戦略と拒絶反応抑制治療の最適化を進め、移植臓器の生存と機能維持期間をさらに延長させる方針だ。また、チームが独自開発した無管技術を異種肺移植の実験に導入し、人工換気によるドナー肺への損傷を軽減することで、異種肺移植の臨床応用への実用化を目指す」と強調した。

 研究チームによると、今回の研究計画は国の関連法規・倫理規定を厳格に順守し、病院の倫理委員会など複数機関の審査と監督を経て実施された。被験者は重度の頭部外傷を負い、複数回にわたる個別の評価で脳死と判定された。医学の進歩を支援したいという遺族の意向により、無償で研究に参加することとなった。研究は9日目に家族の希望により終了した。

 動物の臓器を人に移植する異種移植は、世界の医学研究における最前線の分野とされており、今回の成果は国際的にも大きな注目を集めた。スペイン国立臓器移植機関のベアトリス・ドミンゲス=ヒル長官は、「これまでの異種移植の試験は腎臓、心臓、肝臓に限られていた。肺は生理的なバランスが繊細で、大量の血流を受け、常に外気にさらされるため、特に損傷を受けやすいからだ」と指摘。「中国チームの成果は、関連研究分野における画期的な一歩だ」と評価した。

(画像提供:人民網)

 
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