中国江蘇省の南京市児童医院でこのほど、5歳の末期心不全小児患者に対する第3世代磁気浮上型両心室人工心臓の移植が行われた。新華社が伝えた。
手術は、同医院名誉院長で心臓センター主任の莫緒明氏のチームと天津泰達国際心血管病医院院長の劉暁程氏のチームが共同で実施し、9時間に及んだ。チームは手術中、狭い胸腔内での器具配置や、左右心室の血流バランスなどの難題を克服。患者は術後1週間で普通に食事できるようになり、短距離歩行が可能になった。
この小児患者は3年前に稀な心筋症である拘束型心筋症と診断された。今年7月に症状が急激に悪化し、心不全の指標が危険域を大幅に上回った。5歳児への心臓ドナーの不足は深刻であるため、病院は家族と十分に話し合った後、両心室人工心臓移植術の実施を決定した。
世界では、「埋め込み型補助人工心臓」技術の持続的な更新により、第1世代の拍動型、第2世代の軸流型を経て、現在は第3世代の磁気浮上型人工心臓へと発展している。しかし人工心臓は当初から、成人向けに設計されており、低年齢で体重の軽いの小児患者は胸腔が狭いといった制限があり、適合させることができなかった。
莫氏によると、今回手術を受けた小児患者は状況がさらに特殊で、体重が軽く胸腔が狭いだけでなく、心腔が通常より狭く、これまでのような人工心臓を適合させることができなかった。また、左右の心室が同時に機能不全に陥っており、その血流バランスを保つために両心室補助が必要だった。
南京市児童医院は天津泰達国際心血管病医院や航天泰心科技有限公司と協力し、小児患者の画像データに基づき、胸腔モデルを等倍で3Dプリントした。そして第3世代磁気浮上型人工心臓技術に基づき、低年齢小児患者に適した埋め込み型補助人工心臓を開発した。
この小児用磁気浮上型心室補助装置の単一ポンプは約70グラムと軽量で、低溶血性および高適合性の特徴を備えている。血流バランスの課題を解決するだけでなく、血栓リスクを低減し、低年齢・低体重の小児患者への適応性を大幅に高めた。
劉氏は、「この装置と手術は中核装置を小児患者の体内に埋め込み、さらに体外依存から体内適応への転換を実現した。これにより、低年齢・低体重の末期心不全小児患者であっても、成人と同様に第3世代磁気浮上型人工心臓を装着できるようになる」と語った。