中国科学院天津工業生物技術研究所体外合成生物学センター・低炭素合成工程生物学国家重点実験室の張以恒研究員のチームが、セルロースからデンプンを合成する研究において重要な進展を遂げた。研究チームは合成プロセスを再設計することで、セルロースの全炭素利用によるデンプン合成を実現した。関連成果はこのほど、学術誌「国家科学評論(National Science Review)」に発表された。科技日報が伝えた。
近年は、「セルロースを部分的に加水分解し、セロビオースをリン酸分解し、得られたグルコースを重合してデンプンを作る」という多酵素カスケード反応が利用され、体外生物転換(ivBT)技術によってセルロースからデンプンへの部分的な転換が可能になっている。しかし、この合成経路には根本的な制約があり、理論収率は最大でも50%にとどまる。さらに、微生物発酵による補助を必要とするため、実際の収率はこれより低く、産業化の要求を満たすには至っていない。
張氏は、「私たちはエネルギー循環の新しい経路を組み直し、グルコースを回収して再活性化する仕組みを新たに設計することで、理論上のデンプン収率を50%から100%へと引き上げ、炭素損失の問題を根本的に解決した」と説明した。チームは酵素モジュールの安定性も改善し、特殊な環境から高い耐熱性を備えた新しい酵素モジュールを系統的に探索・選抜することで、反応全体の温度を50℃まで高めた。これにより、酵素の活性と反応速度が大きく向上しただけでなく、生成物1単位あたりの酵素使用量も大幅に削減され、産業規模への展開に向けて確かな基盤が築かれた。加えてチームはシステム全体の統合も最適化し、反応系の各要素を協調的に調整することで、最終的にセルロースからデンプンへの実際の転換率を93.3%まで高めることに成功した。