裸眼3D映像を見るには画面の真正面に近づき、体を動かさずにいなければならない。少し横にずれただけで二重像が現れ、5分も見ていると目まいがしてしまう――裸眼3Dに対してはこうした固定観念を持つ人も多いようだが、2025年末に「ネイチャー」誌に掲載された研究成果は、この現状を変える希望をもたらしている。科技日報が伝えた。
大きな期待を集めてきたこの表示技術は長い間、「見映えは良いが実用的ではない」という状況に置かれてきた。
今回、研究成果を発表したのは、上海人工知能実験室と復旦大学が共同で育成した博士課程学生である馬煒傑氏(26)だ。馬氏は2年かけて次世代裸眼3D表示技術「書生・瞳真EyeReal」を開発し、デスクトップサイズとしては初めて、超広範囲のフルパララックス3D表示が可能に。「どこから見ても酔わない」裸眼3Dが現実のものとなった。
従来の裸眼3D技術は、大画面化、広視野角、視覚の連続性を同時に満たすことが難しく、業界ではこれを「不可能なトライアングル」と呼んでいる。馬氏のチームは発想を転換し、「光場(ライトフィールド)生成モデリング+ニューラルネットワークによるデコード」という融合型技術を採用。この技術はAIを用いて裸眼3Dに「スマートなブレイン」を与えるようなもので、従来の技術の行き詰まりを克服した。
馬氏は、「画面に搭載された高精度センサーが『トラッカー』のようにユーザーの目をリアルタイムで追跡する。座っていても立っていても、左右に動いても、瞬時に両眼の位置を特定できる。さらに、AIアルゴリズムは『スーパーコンピューター』のように、その瞬間のユーザー位置に最適な光の分布を計算し、正確に両目の方向に届ける。他の方向に大量の光情報を無駄にすることがない」と説明した。
業界専門家は、「この若手研究者による成果は、AIが私たちの生活を変える重要な力になることを示している。将来、裸眼3Dによる『立体的なインタラクション』は、現在のスマートフォンのように身近な存在になる可能性がある」との見方を示した。

(画像提供:人民網)