清華大学の戴瓊海院士(アカデミー会員)チームが5年をかけて開発した計算ホログラフィック光場(DISH)による3次元プリンティング技術が、従来の3Dプリンティングで課題とされてきた速度と精度の両立を実現した。ミリメートルサイズの複雑構造を0.6秒で印刷でき、体積3Dプリンティング分野の記録を更新した。関連成果は国際学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。
今回開発されたDISH3次元プリンティング技術は、計算光学を光場情報のキャプチャから実体構築へと逆方向に応用し、計算イメージングの逆プロセスに基づくシステム設計を通じて、情報取得から実体製造までを一つの枠組みとしてつなげた。研究チームは、多視点光場の高速制御、焦点深度拡張のためのホログラムパターン最適化、デジタル自己適応光学による高精度光路補正などの重要課題を克服し、高次元光場の操作による3次元実体構築を中核として、複数の技術的ブレイクスルーを達成した。
同技術の露光速度は従来の体積プリンティングに比べて数十倍に向上し、0.6秒でミリメートルレベルの構造を印刷できる。また、超短時間露光により材料の流動の影響を大幅に低減し、水に近い低粘度の希薄溶液から高粘度の樹脂まで、幅広いプリンティング材料に対応する。さらに、自己適応光学校正とホログラフィックアルゴリズムを組み合わせることで、同一パラメータ下での焦点深度を50マイクロメートルから1センチメートルへ拡張し、1センチメートルの範囲内で光学分解能を11マイクロメートルに安定して維持する。印刷物の最も細い独立特徴は12マイクロメートルに達する。加えて、印刷容器に特別な設計や高精度な機械運動を必要とせず、流体パイプ内での大量連続印刷も可能となり、応用シーンが広がった。
同成果は今後、組織工学やハイスループット創薬スクリーニングにおける生体内プリンティングのほか、光子計算デバイスやマイクロモジュールの産業的量産への応用が見込まれる。また、多材料積層プリンティングの実現も期待されるという。

(画像提供:人民網)