2026年03月02日-03月06日
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新型電解液でリチウム電池のエネルギー密度が700Wh/kgに 南開大学など

2026年03月03日

 南開大学などの研究グループが、リチウム電池用電解液における酸素配位に起因する動力学的制約を見直し、フッ素化炭化水素溶媒に基づく新型電解液システムを設計・合成した。これにより、リチウムイオン電池のエネルギー密度を700Wh/kgまで高めた。新華社が伝えた。

 研究は、南開大学化学学院の趙慶研究員、中国科学院院士(アカデミー会員)で南開大学常務副学長の陳軍氏、ならびに上海空間電源研究所の李永研究員のチームが共同で実施。関連成果は北京時間2月26日、国際学術誌「Nature」にオンライン掲載された。

 現在市販されているリチウム電池用電解液は、一般にリチウム塩と炭酸エステル系溶媒から構成されている。リチウムと炭酸エステル溶媒中の酸素とのイオン双極子相互作用は、リチウム塩の溶解を促進するが、この種の溶媒は電極への浸潤性が低く、使用量が多くなるため、リチウム電池のエネルギー密度をさらに高めることが難しかった。また、強い相互作用は電池内部の界面電荷移動を阻害し、低温特性を制約する要因となり、通常はマイナス50度以下では電池の動作が困難となる。

 研究チームはこの課題に対し、新型フッ素化炭化水素溶媒分子を設計・合成し、電解液中でのリチウム塩の有効な溶解を実現し、従来のリチウム-酸素配位方式を置き換えることに成功した。フッ素化炭化水素溶媒は、従来のリチウム-酸素配位型電解液系と比べて浸潤性が高く、利用効率も高いため、電解液使用量を大幅に低減できる。また、リチウムとフッ素との配位がより弱く、低温環境下でも迅速な電荷移動が可能となる。

 研究チームはこの新型電解液系を用いることで、室温条件で700ワット時/キログラム(Wh/kg)という超高比エネルギーのリチウム電池の開発に成功した。さらに、マイナス50度の環境下でも、リチウム電池は約400Wh/kg近いエネルギー密度を示した。

 趙氏は、「フッ素配位によってリチウム塩を溶解させる鍵は、フッ素原子の電子密度および溶媒分子の立体障害を精密に制御する点にある。この電解液を用いたリチウム電池は高比エネルギーと耐低温性といった優位性を併せ持つ」と説明。陳氏は、「この電解液を基盤とする高比エネルギー電池は、新エネルギー車、エンボディドAIロボット、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)、極寒地域、さらには航空宇宙分野など、幅広い応用可能性を秘めている」と語った。

 
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