2026年03月16日-03月20日
トップ  > 中国 科学技術ニュース >  2026年03月16日-03月20日 >  再生イネ無人スマート農場、マウスひとつで農機が田んぼへ

再生イネ無人スマート農場、マウスひとつで農機が田んぼへ

2026年03月19日

 洞庭湖平原の中心部に位置する中国湖南省益陽市大通湖区の再生イネ無人スマート農場では、春耕と播種の時期を迎え、無人農機のネットワーク接続状態の点検や保守作業を行い、10トンの稲種を良質な苗へと育成する準備を進めていた。中国新聞社が伝えた。

 湖南宏碩生物科技有限公司の責任者である熊姣軍氏は、「今年は大通湖区で20台の無人農機設備を普及させ、イネ1万ムー(約666.7ヘクタール)をカバーできる見込みだ」と話した。

 熊氏が管理しているのは、再生イネ無人(少人数)スマート農場だ。この農場は、華南農業大学の羅錫文院士(アカデミー会員)チーム、華中農業大学の彭少兵教授チーム、湖南農業大学の唐啓源教授チームが同社と共同で2023年に建設したもので、実験田は500ムー(約33.3ヘクタール)近くに及ぶ。現在、3000ムー(約200ヘクタール)の拠点ではスマート化・少人数化による管理がほぼ実現している。

 農場のクラウド管理センターでは、大型スクリーンにその日の農作業や気象、農機の数量統計、害虫発生予測、スマート灌漑などの情報が表示されている。ここは農場の「頭脳」に当たり、データをリアルタイムで確認し、イネの生育状況を分析し、意思決定を行うことができる。マウスをクリックするだけで、クラウドに接続された農機による精密作業が実行される。

 熊氏は、「農業は大変だと言う人もいるが、私は農業はかっこいいと思っている。『農機+農法+スマート技術』の融合により、この無人農場ではすでにイネの耕起、播種、管理、収穫などの各工程において、全過程のトレーサビリティと全面的なカバーをほぼ実現している。近年の1ムー(約6.7アール)当たり平均収量は1200キログラムを超え、従来の二期作の栽培方法と比べて1ムー当たり400キログラムの増産となった」と説明した。

 熊氏はさらに、「田んぼに入るのは農機で、私ではない。モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI(人工知能)の技術を活用し、この無人農場では田植え機、ロータリー式耕うん機、コンバインなどの農機を無人化改造した。さらに北斗衛星測位技術を利用し、田んぼの中で計画されたルートに沿って正確に作業できる」と述べた。

 再生イネとは、収穫後の稲株から再び芽を出させて穂を実らせる栽培方式で、一期目の収穫時には稲株への踏みつけを最小限に抑える必要がある。従来の有人収穫機は走行軌跡の直線性が低く、稲株を踏みつけてしまうことが多かったが、無人農機は作業軌跡に基づいて走行するため、直進時の踏みつけ率を45%から約18%まで低減できる。

 農場内には自動水位計、害虫モニタリングステーション、圃場気象ステーションなどのスマートセンサーシステムが設置されている。クラウド管理センターには「深層学習分類アルゴリズム」が組み込まれており、各農地の実際の状況をリアルタイムで表示できるだけでなく、「異常識別・分析」の能力も備えている。田植え、施肥、薬剤散布をどのタイミングで行うべきか、どの圃場に灌漑や追肥が必要かについて、すべてスマート管理することを可能にしている。

 熊氏によると、3つの大学の専門家チームはそれぞれ得意分野を持ち、互いに協力している。専門家の指導の下、現代の農家は、クラウド管理センターが指令を出し、スタートボタンを押すだけの簡易操作型の農業スタイルを始めている。「この3年間の試みを通じて、私たちは単なる実験田から、普及可能な生産モデルへと発展した」と熊氏は語った。

 2025年には、この無人農場の栽培技術が益陽市南県で2000ムー(133.3ヘクタール)にわたり導入された。熊氏はさらに南県で宏碩スマート農業サービス産業パークを建設し、生産技術の標準化、農業サービスのスマート化、農業管理の規範化を通じて、2万ムー(約1333.3ヘクタール)以上の作付け面積を支援している。

(画像提供:人民網)

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

中国科学技術ニューストップへ
上へ戻る