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温度を自動調整する繊維を開発 衣類への応用に期待

2026年03月24日

 北京大学材料科学・工程学院の鄒如強教授らの研究チームが、温度を自動的に調整する機能を持つ繊維を開発した。研究成果は学術誌「Nature Communications」に掲載された。光明日報が伝えた。

 この技術は、「相変化材料(PCM)」と呼ばれる材料を応用したもの。温度変化に応じて熱を吸収・蓄積し、必要に応じて放出する特性を持ち、衣類周囲の温度を調整する役割を果たす。従来のように断熱や通気で対応するのではなく、材料内部に熱を取り込み、制御する点が特徴とされる。

 研究チームは、繊維内部に微量のカーボンナノチューブを添加し、構造の補強と熱伝導性の向上を図った。あわせて、相変化分子を固定する三次元ポリマーネットワークを構築し、温度上昇時に材料が溶融しても外部に流出しない構造とした。

 開発した繊維は、単位重量当たりの蓄熱性能が同種材料の中でも高い水準にあり、柔軟性にも優れる。元の長さの約15倍まで伸ばしても破断しにくく、既存の繊維設備での加工にも対応可能で、加工後の良品率は98%以上とされる。

 試作した衣類を用いた着用試験では、夏季の屋外環境において、一般的なポリエステル製衣類と比べて表面温度が最大で約8℃低下したという。また、100回以上の加熱・冷却サイクル後も蓄熱性能の大きな低下は確認されなかったとしている。

 相変化繊維は、宇宙服やアウトドア用品、乳児用スリーピングバッグ、省エネカーテンなどでの応用が検討されており、衣類の温度制御技術としての展開が見込まれる。

 
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