2026年03月23日-03月31日
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LiDAR、AI、ドローン空撮など、考古学に活用されるデジタル技術

2026年03月24日

 ドローンによるリモートセンシングや過去の画像資料を用いた研究により、中国甘粛省・疏勒河流域の古代都市遺跡が、水資源に依存した立地に分布していたことが確認された。乾燥地域における古代人の環境適応を考える手がかりとされる。人民日報海外版が伝えた。

 江漢平原の先史時代の治水に関する研究でも、ドローン撮影と3次元再構築を通じて、地形を利用したダムや水路の整備により、干ばつと洪水の双方に対応していたことが明らかになっている。良渚古城周辺の水利システムの把握にも、高解像度のリモートセンシング画像やGIS(地理情報システム)が用いられている。

 こうした事例から、デジタル技術が古代社会と自然環境の関係の分析に活用されていることが分かる。

 現在、考古学の現場では、高解像度リモートセンシング、ドローン空撮、ドローン搭載型LiDARなどによるデータ取得に加え、3次元再構築、GIS、人工知能(AI)、ビッグデータ分析などが導入されている。これらは調査、発掘、分析、保存、展示といった一連の工程で利用され、作業の効率化や精度向上に寄与している。

 データ取得では、「衛星リモートセンシング―ドローン空撮―地上スキャン・撮影」という多段階の手法が用いられている。衛星画像は広域調査に適し、ドローンは機動性とコスト面から現地調査での利用が進む。可視光に加え、マルチスペクトル、熱赤外、LiDAR、磁気センサーなどを組み合わせることで、地表や地下の状況を把握する試みも行われている。

 LiDARは植生を透過して地形データを取得できるため、樹木に覆われた遺跡の把握に用いられている。

 記録と保存の分野では、3次元再構築により、遺跡や出土品の形状や表面情報をデジタルデータとして保存する取り組みが進む。こうしたデータは研究資料としてだけでなく、自然損壊などに備えた記録としても活用されている。

 また、中国とケニアによる旧石器時代の共同調査では、3次元モデリング技術を用いたデジタル記録の手法が共有されている。

 展示や発信の分野でも、デジタル技術の導入が進む。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、AIなどにより、過去の景観の再現や、現実の遺跡に情報を重ねた表示が行われている。「デジタル敦煌」では、洞窟内部を高精細画像で閲覧できる仕組みが整備されている。

 こうした技術は、考古学研究や文化遺産の記録・活用の手段として利用が広がっている。

(画像提供:人民網)

 
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