中国科学院地質・地球物理研究所などの研究チームは、分布型光ファイバーセンシング技術を使い、農地土壌の水分変化を分単位でリアルタイム観測する手法を開発した。耕作方法の違いが土壌の健全性に与える影響を把握する方法として期待される。関連論文は20日、米科学誌「Science」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。
土壌を壊さずに、耕作方法が土壌構造に与える影響を正確に捉えることは、農学分野の長年の課題だった。研究チームは農地の土壌表面に光ファイバーを敷設し、地表の背景ノイズで生じる地震波の伝播速度の変化を捉えることで、土壌粒子構造の変化を推定し、「土壌動的毛管応力」モデルを提唱した。
論文の筆頭著者兼責任著者である中国科学院地質・地球物理研究所の施其斌副研究員は、「土壌を単なる粒子の集合体として捉えるのではなく、多孔質媒体とみなすべきだ」と説明した。このモデルにより、光ファイバーで取得した観測データから、土壌深部の孔隙ネットワークの特徴を鮮明に再現できるという。
この技術はまた、異なる耕作方式が土壌に残した改良の痕跡を把握することも可能だ。従来のように頻繁に耕起が行われる区域では、光ファイバーのデータから、短時間の降雨でも水分が表層に滞留して浸透しにくく、その後急速に蒸発・散逸する様子が確認された。同時に、農具による強い圧力が浅層土壌の毛管吸水作用を加速させ、水分の流失を一層悪化させる。一方、不耕起または人為的干渉の少ない土壌では、水分が速やかに下方へ浸透・蓄積され、スポンジのように作物の根系へ安定した水を供給するという。
施氏は、「この研究は地震学の観測手法を農業科学へ応用したものであり、植物と土壌の相互作用を理解する手がかりになる。今後、光ファイバーセンシングとAI(人工知能)技術を組み合わせることで、広範な農地における土壌水分状況の高精度かつリアルタイムな監視が可能となり、節水型農業や精密管理の推進に役立つことが期待される」と語った。