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自動車メーカーが次々と人型ロボット産業に進出するのはなぜか

2026年04月06日

 人型ロボットは今、自動車メーカーの先見的な戦略において重要な位置を占めつつある。大まかな統計によれば、現時点で独自開発、投資・株式参入、提携などの形で人型ロボット分野に乗り出す世界の主要自動車メーカーは20社に迫る。人民日報が伝えた。

 自動車メーカーが人型ロボット産業に進出するのはなぜか。1つ目の理由は、戦略的な現状打破が喫緊の課題だからだ。自動車産業は電動化・スマート化へのモデル転換という機会を捉え、過去10年間にスマートコネクテッド新エネ車という戦略的新興産業を生み出し、さらに市場の成長ペース、産業チェーンの拡大、資本市場の熱量などの点で、一時は右に出るもののない存在になりはした。だが、「内巻式競争」(閉鎖的環境における過度な消耗戦的競争)が繰り広げられたことで、「販売量も売り上げも増えるが利益は増えない」苦境に陥り、ますます多くのメーカーが第2の成長カーブを見いだそうと躍起になっている。多くの投資銀行は、将来的には10兆ドル(1ドル=約160円)規模の市場価値を持つ人型ロボット産業が創出され、自動車メーカーの新たな選択肢になると予測している。

 2つ目の理由は、スマートカーと人型ロボットには技術の類似性があるからだ。「エンボディドAIロボット」という角度で見ると、自動運転車は「車輪のついたロボット」と見なすことができる。アルゴリズム、計算能力プラットフォーム、センシングのハードウェアから基盤モデル、さらにはトレーニングデータまで、自動車と人型ロボットの間には大量の共有可能な技術のモジュールとサプライチェーンのリソースが存在する。人型ロボットの移動能力には、電気自動車の中核である3つの電気システム(バッテリー、モーター、電気制御システム)の技術が転用されている。小鵬汽車を創業した何小鵬氏は、「自動車メーカーが蓄積した技術の70%は、人型ロボットに直接転用できる」と率直に語っている。

 3つ目の理由は、企業内部に商用化の実践シーンがあるからだ。ここ数年、人型ロボットを手がける自動車メーカーのテストやトレーニングに関連したニュースが話題になり、多くの企業の創業者も、「人型ロボットの商用化実践における突破口は、製造業の製造ラインと商業施設での案内業務だ。そのうち、産業用ロボット密度が最も高い自動車産業は最良の選択肢だ」との見方を示している。これはつまり、自動車メーカー内部の製造ラインと販売・サービスシーンは、自社製人型ロボットの応用の初期段階で、唯一無二の理想的な試験場を提供できるということだ。それだけでなく、こうした企業内部の応用シーンから生まれる質の高いトレーニングデータは、製品のスピーディな改良を促し、技術のクローズド・ループを形成することにもなる。

 技術の類似性の高さ、サプライチェーンの重なりの広さ、企業内部の実践シーン、データ収集のクローズド・ループなどは、自動車メーカーが人型ロボット分野に参入する際に築いた優位性であり、資本市場では有望な投資先として評価されている。少し前には、小鵬汽車や現代、理想汽車から、人型ロボットに関する進化、実施計画、研究開発、求人拡大などのニュースが次々と伝わってきた。しかし、人型ロボット産業に参入した多くの自動車メーカーは、商業化の見通しを長期的に有望視すると同時に、人型ロボットの技術的な難易度や市場チャンスなどについて、依然として冷静に判断する必要があるとしている。

 技術的な難易度については、人型ロボットは3D空間において、擬人化された形態で、人間との間で安全で高効率の予測可能なマルチモーダルインタラクションを行うことが求められる。つまり、ステージの上であらかじめプログラムされた「超絶技巧」を披露する現在から、汎用性を実現して一般家庭に大規模に導入されるようになる未来まで、人型ロボットはまだ長い道のりを歩まなければならないということだ。そのためには、引き続き大規模な資金と人材の投入が必要で、全固体電池やフレキシブルセンサーといった新技術のブレークスルーが必須であり、フィジカルAIが「ChatGPT式の飛躍」を遂げることも必要になる。

 市場機会については、目下、ロボットアームは製造業のほぼすべての大規模生産現場で応用が可能になった。ロボットが人間に代わって行うことができない製造プロセスは、人間に代わること自体の難易度が非常に高いか、そのプロセスを担う作業員の数が非常に少なくロボットが代わることにメリットがないかのどちらかだ。自動車メーカーが短期間で新たな成長カーブを描こうとするなら、自社の製造ライン以外で持続可能な需要を模索し、再構築しなければならないほか、コスト、性能、人間に代わることの効率の間でバランスを取ることも必要になる。

 工業・情報化部(省)のデータによると、2025年には中国国内の人型ロボット完成機メーカーは140社を超えた。この数字から、人型ロボット産業が今後も多くの企業が参入する成長産業であることがうかがえる。ただし、この産業に参入するなら、チャンスとともに課題にも直面することになりそうだ。

 
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